日本の製造業の要、「匠の技」継承問題をデジタルで解決する方法とは?
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匠の技をデジタルで解決するというのはやむなしなのでしょう。なかなか製造現場での匠を目指す若い人も少ないと思われます。
気になるのが、(少なくとも現時点では)「現場での創意工夫」による生産性向上の努力が、デジタルでは承継できないということです。
トヨタをはじめとする日本の製造業の強さの一部は、「現場での自発的な創意工夫」にあったのだと思っています。現場を良くわかっている人が喧々諤々議論して、日々、小さいことでもいいので改善を加えていく。
現在のAIなどでは、そこまでは難しいと理解しているのですが、その辺が途切れなければいいなと。製造業の生産性向上に対して、何を作るかという上流のエンジニアリングチェーン(設計)と、どう作るかという下流のサプライチェーン(調達・製造・物流)に分けて分析することによって課題がより明確になる。
上流の課題に対しては、3Dモデリングによる設計効率向上や品質の作りこみ、下流に対してはIoT、AIを活用した作業品質向上や自働化などのデジタル活用が進みつつある。
記事には日本の「匠の技」が何かは記述されていないが、上流では要求仕様を満たしながら原価を抑え、作りやすい構造にする設計、下流では作業手順や動きにおける勘やコツなど熟練者の暗黙知が日本の製造業を支えている。
デジタル化自体よりもデジタル化した経験やノウハウをどのように活用するかが重要だ。製造現場で共有するのはもちろん、業界内、そして異なる業種でも広く活用できるようにしてほしい。「匠の技」は一企業の中に留めるのではなく日本の製造業の宝なのだから。ビジネス+ITに連載させていただいている
第4次産業革命のビジネス実務論に寄稿しました。
諸外国に先んじて生産年齢人口の減少や少子高齢化が進行し、課題先進国といわれる日本。従来、“匠”と呼ばれる熟練技能者のノウハウとその継承・進化が競争力の源泉となってきた製造業においても、これらの課題による影響が顕在化しつつあります。今後、こういった課題を克服し生産性向上を両立するためには、ノウハウを「人から人」へ継承するだけではなく、「人からデジタルへ」継承することも必要になります。今回は、製造現場における匠の技の継承の課題と取り組みについて取り上げました。