[ワシントン/オタワ 25日 ロイター] - バイデン米大統領は25日、政府調達で米国製品を優先する「バイ・アメリカン条項」の抜け穴をふさぐ大統領令に署名した。国内製造業の強化を目指す。

大統領令により、条項の免除措置に対する透明性を高めるとともに、手続きを監督するホワイトハウス上級職を創設する。

バイデン大統領は署名に先立ち、記者団に対し「米国の製造業の活力が過去のものであるということを私は少しも信じない」と指摘。「米製造業は第2次世界大戦時における民主主義の兵器庫だった。そして現在では、米国の繁栄の原動力の一部でなければならない」と述べた。

また、連邦政府車両を米国製電気自動車に置き換えるという、選挙遊説中に表明していた計画を繰り返した。

ホワイトハウス高官は、米経済の12%を占める製造業部門の再活性化は、バイデン氏が推し進める賃金上昇と、労働組合に加盟する労働者の増加のほか、米国の供給網の強化に向けた主要な施策になると指摘した。

バイデン大統領は「アメリカは将来に向けた競争で傍観者の立場を取ることはできない。われわれの競合相手は待ってはくれない」と指摘。「アメリカで将来がつくられることを確実にするため、われわれは今日の雇用だけでなく、明日の雇用と産業を勝ち取る必要がある」と述べた。

労働組合組織である米労働総同盟産別会議(AFL─CIO)は、今回の大統領令を歓迎。トラムカ会長は「米製造業の再活性化に向けた良い一歩だ。トランプ前大統領の政策は過去4年間、再活性化で失敗していた」と述べた。

<カナダは懸念表明>

一方、米国の第2位の貿易相手国であるカナダは懸念を表明。フリーランド財務相は記者団に対し「カナダは常に『バイ・アメリカン』を懸念してきた。バイデン新政権との間で極めて優先度が高い事項になる」と述べた。

*内容を追加しました。