[フランクフルト 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるフィリップ・レーン専務理事は25日、資金調達環境が良好かどうかを判断する上で、ECBは銀行の信用状況や債券市場を主に重視しているという考えを示した。

ECBは新型コロナウイルス禍からの景気回復を後押しする上で、「良好な資金調達環境」を維持すると約束しているが、その測定方法については明らかにしていない。関係筋によると、3月の理事会では資金調達環境の指標化などについて踏み込んだ討議が行われる予定だ。

レーン氏は「当然のことながら、一方で銀行システムの信用状況、他方で債券市場に焦点を当てることは、中央銀行が資金調達環境の舵取りに用いる主要な方法と一致している」と指摘。「ECBは日常的に広範な指標を見ているが、とりわけ銀行が仲介する信用に依存する顧客の状況や、債券市場での資金調達を目指すセクターの状況に重点を置いている」と述べた。

ECBは先週の理事会後に発表した声明で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)について「購入枠を使い切らない資産購入フローで良好な資金調達環境を維持できれば、その枠を全て使用する必要はない」と明記。ラガルド総裁も全額を使用しない可能性があると改めて示唆したが、レーン氏もこの日、同様の考えを示した。