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セブン&アイ・ホールディングスが米子会社を通じてドル建て債の発行を準備していることが25日、分かった。事情に詳しい関係者によると、発行額は109億5000万ドル(約1兆1370億円)となる見通し。

コンビニ併設型ガソリンスタンドを展開する米スピードウェイの買収資金に充てるため、米セブン-イレブンが発行する。主幹事にはクレディ・スイスとSMBC日興証券、BofA証券、シティグループ、JPモルガンを指名し、26日に欧米とアジアで投資家向け説明会を開く。

ブルームバーグのデータによると、109億5000万ドルの発行額は、実現すれば事業会社による一度の起債額として2021年の世界最大になる見通し。現時点での最大は米ブロードコムの100億ドル。アジアの事業会社(親会社を含む)が発行するドル建て債としては、データを確認できる1999年以降の最大案件となる見込みだ。

2兆円超のスピードウェイ買収を巡り、7&iHDは昨年11月にも円建てで総額3500億円を起債した。同社広報の山田充氏は、現時点で予定している社債発行は今回のドル建て債のみだと説明した。年限など発行の詳細は今後決定するとした。

格付け見通し

ムーディーズ・ジャパンは25日付で、7&iHDの格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた。格付けは「A2」を維持した。

ムーディーズのセメトコ真理子・主任格付アナリストらはリポートで、スピードウェイ買収によりレバレッジ上昇が見込まれるとした上で、過去の買収後は「レバレッジを削減し、シナジー効果を実現させてきた実績がある」と指摘。買収後2、3年でレバレッジは削減できるとの見方を示した。

(第3段落に発行額が今年最大の見通しと追記、第5段落以降に格付け情報を追加しました)

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