2021/1/26
【5min完結】ネットフリックス「飛躍の秘密」に迫る10選
愛の不時着、梨泰院クラス、クイーンズ・ギャンビット──。
2020年に話題になった動画コンテンツを聞かれたら、Netflixを思い起こす人も多いでしょう。
単に多くの人に見られるだけではなく、文化のツァイトガイスト(時代を特徴づける思想)を形づくるヒットを生み出す
──Netflix・2020年第4四半期株主への手紙
こんなビジョンを掲げるNetflixにとって、2020年は飛躍の一年となりました。1月19日の通期決算では、有料会員数がついに2億人を突破したと発表。
Disney+やAmazon Prime、HBO Maxなど、ストリーミングサービスの競合がひしめく中、なぜNetflixはこれほど強さを見せているのでしょうか。
「コロナイヤーに人気を博した作品は、大きく4パターンあります」
そう考察するのは、ストリーミングコンテンツのヒット分析を届けるニュースレター「Dirt」の運営者で、アメリカ在住カルチャージャーナリストのカイル・チャイカ氏です。
Netflixの「10の作品」を挙げながら、チャイカ氏の考察をお届けしましょう。日本や韓国の作品がアメリカでどう捉えられているかも、大変興味深い内容になっているはずです。
1.「共通言語」としてのNetflix
チャイカ氏 Netflixの競合とは誰でしょうか。Disney+やHBO?
Netflix創業者のリード・ヘイスティングスは、以前からこう語っていました。
われわれの競合は、HBOではない。眠ることや、友達と飲みに行くことだ──。
ロックダウンのおかげで、そうした「競合」の選択肢は一気に狭まり、Netflixは人々の時間と注目を一手に集めたといえます。
何より、人々は「共通の話題」を求めていました。
人と交流する機会が少なくなり、友達とつながっておくために、何か話のネタが欲しい。
そんなとき、「最近、何の番組見てる?」というのは、格好の問いかけです。
Netflixはもともとの会員基盤が大きいので、そこで見られる番組は、話題にしやすい。
会話を機に、「みんなの話題についていくためにNetflixに入る」という人が増え、会員基盤がさらに拡大する。そんな好循環が起きました。
2020年にヒットしたコンテンツの筆頭は、「これを観ていないと話が盛り上がらない」という、共通言語的な作品(1)です。
プレミアム会員限定の記事です。
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。


あわせてどうぞ
Editor's Choice
この連載について
ストリーミングやマンガ・ゲームなど、時間を忘れて自宅でコンテンツに没入する機会が増えた。人々が社会との関わり方に大きな変化を求められる今、エンタメ文化やヒットの法則はどう変わったか。様々な視点から、絶対に外さないステイホーム・コンテンツを紹介してゆく。
Netflix(ネットフリックス、ナスダック: NFLX)は、アメリカ合衆国のオンラインDVDレンタル及び映像ストリーミング配信事業会社。アメリカ合衆国の主要なIT企業で、FAANGの一つである。2017年12月の時点で190ヵ国以上で配信事業を展開し、2018年の売上は157億ドル(1.57兆円)、契約者数は世界で1億2500万人。 ウィキペディア
時価総額
23.7 兆円
業績
