日本発のアルツハイマー予防薬、発症前の人対象に国際共同治験
認知症で最も多いアルツハイマー病の発症を防ぐ予防薬の開発を目指し、認知機能が正常な人を対象にした国際共同治験が、来月にも日本でスタートする。日本の製薬大手エーザイが開発した薬剤「BAN2401」を、世界の1400人に4
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ここで紹介されているような薬剤は過去にも様々な知見が積み重ねられてきましたが、何よりの課題は、本当にこのアルツハイマー病の原因をアミロイドβに求めていいかという点です。原因なのか、結果なのか。
それが部分的にでも真実であれば、治験はうまくいくかもしれません。言い方を変えれば、この治験の成功により、アミロイドβ仮説に前進がもたらされる可能性もあります。
また一方で、費用対効果の議論も重要なものになるでしょう。使用される治療薬は抗体薬で、とても高額なものです。その費用をかけるだけの価値がある結果が得られるのかにも着目する必要があります。
これまでの開発の歴史については、こちらもご参照ください。
【解説】エーザイが開発した、「夢の治療薬」の実力
https://newspicks.com/news/4539937
『アルツハイマー征服』で書きましたが、このアミロイドカスケード仮説を疑う議論は、同じアミロイドベータを標的とするパピネツマブなどの先行する抗体薬が2010年代にすべて治験で認知に関する項目を達成しなかっ,たために出て来たものです。
しかし、その後
1)アイスランドのジーンバンクからアルツハイマー病になりにくい家系の人たちの遺伝子に、アミロイドベータを産出されにくくする突然変異があったこと
2)初期の抗体薬の治験は、PETが技術開発されておらず、そもそもアルツハイマー病患者ではない人が大量に入っていたこと
3)中程度、高度の患者をいれていたが、実はアルツハイマー病は発症の20年前からアミロイドベータの蓄積などの病変が脳内におきていることがDIAN研究などからわかってきたこと
などから、この議論は否定されていると考えてよさそうです。私自身も取材している途中までは、「原因か結果か」の議論 にとらわれていましたが、上記三点が取材で見えてくるにつれて、そうした議論は間違っていると結論しました。
アミロイドベータが発病のメカニズムにかかわっていることは確かです。
今回の岩坪威先生や、ハーバードのレイサ・スパーリングがやっている治験は、発症の前に、抗体薬を投与したらばどういう効果があるのかを見るということです。
発症の20年前から脳内に変化が始まっている、つまり病気が始まっているのだから、その段階で介入したらばどうなのか、ということなのです。
現在承認を待つ「アデュカヌマブ」は、先行したバピネツマブなどの治験の失敗を注意深くみて、PETによってMCI、軽度のアルツハイマー病患者に限定して投与し、一定の効果をあげた、ということになります。
ただし、記事の「日本発のアルツハイマー予防薬」というのは間違いで、スウェーデンのバイオアークティック社が開発した抗体薬の権利を2007年にエーザイが買い取って治験をすすめたというものです。なので本当は「スウェーデン発」。
これまでの開発の歴史についてはニュースピックスの科学担当の副編集長須田桃子さんにインタビューされた記事が参考になると思います。
https://newspicks.com/news/5556586
その中で、脳内にアミロイドβの蓄積が起きているという事がわかり、研究が進められています。
ワクチンもそうですが、予防薬の治験は健常者に対して行われるため、求められる成果は非常に高くなります。どんな薬も副作用と効果のバランスが大事ですが、とりわけ健常者への予防薬は重大な副作用が起きないことが求められます。
いずれにせよ、国際治験にまで駒を進めるためには、その前段階の研究がいくつも行われており、そこで成果が上がっていることを示します。ハードルの高さからすると、大きな期待までは出来ませんが、結果が楽しみです。
アルツハイマー病の新薬候補という意味で昨年注目されたのが、中国の上海緑谷製薬が開発したSodium Oligomannate(GV-971)。軽度から中等度のアルツハイマー病患者の認知機能を改善するとして、2019年に中国で条件付きで承認されており、昨年FDAが国際的多施設第3相臨床試験実施に関するIND申請を承認している。今後2024年には臨床試験が終了する計画だが、特筆すべきはこの新薬候補Sodium Oligomannateは海産褐藻類から抽出したオリゴ糖であること。前臨床試験の結果から、この作用機序は腸内細菌を介したものであることが報告されている。
アルツハイマー病と腸内環境との関連について、その分子メカニズムは完全には解明されていないものの、今後アミロイドβに代わる新たな治療標的になるかもしれない。
1 費用対効果があわない
医薬品として認められるためには、臨床試験段階で実際に投与して、ヒトでプラセボ(偽薬)と比較して「効果」が確認されなければなりません。「予防」を見る場合、もともと発症していない方に均等に投与し、両群で統計的差異が確認されなければなりません。試験が終わるまで、どちらの薬が投与されているか患者はもとより医師にもわからず、4年投与した結果「開封」後、明確な統計的差異が出る必要があります。仮に被験者1名あたり年間100万円の管理コストがかかる場合は56億円、300万円の場合は168億円ということになります(両群で1400名の場合ですが、片群1400名の場合は倍の試算)。その他諸々のコストもかかります。(無発症・無作為投与4年で結果が出るかも疑問)
2 「予防」薬は医薬品としての承認を得ることが困難
日本では、医薬品は「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とさ れている物であつて、機械器具等でないものをいう」(薬機法2条第1項抜粋)とあるものの、比較的短期的な効果が見込める「感染症用のワクチン」以外に、予防を目的とするものが「医薬品」として認められた例が皆無です。
3 研究機関主導の意味
各国政府が医療費抑制に腐心しているなか、近年の医薬品の認可プロセスでは、医療経済的見地から「費用対効果」の証明が求められるようになりました。そのような視点でも、当該医薬品候補を「予防効果の効能」で承認に導くことは極めて難しいのですが、公的な科学研究であれば研究費用を税金で負担してもらえます。また、研究には政府に近い方が関与するので予防薬の重要性をわかってもらうには良い方法だと思いますし、世論にも訴えかけられやすくなります。この研究の科学的な価値を、有力研究者が認めているから可能になることではあります。なお、エーザイは当医薬品候補(BAN2401)の「早期アルツハイマー病患者」の進行抑制目的の臨床試験については、すでに米国バイオジェン社と共同で臨床試験を実施しています。
以上が、この「国際共同治験」の想定される背景です。科学の発展に期待します。
アルツハイマーが予防できれば、長生きするのが怖くなくなります。
効果があることを期待したいです。
あとはアルツハイマーになってからの治療薬もできるといいですね。
今年還暦を迎える私にとっても、アルツハイマーは超関心事なのです。
人生100年時代といっても、認知症になってしまったら自身だけでなく家族にも多大な負担をかけてしまいます。
逆に、認知症の治療法ができれば70才どころか80才、90才でも働ける人がでてくるでしょう。
心の底から期待します。
本予防薬や治療薬が早くリリースされることを望みます。これ以上寿命を延ばすことを望むより、健康に日々を送れることにフォーカスした創薬が望まれるのではないでしょうか。
もちろん、蓄積しないように出来ればベストですが、そもそも自分が該当するかどうかを先ずは知りたいという人が多いのでは?
【下山進】アルツハイマー病は、治る病気になるかもしれない(NewsPicks編集部、1月23日)
https://newspicks.com/news/5556586