住友商事、石油の新規開発から撤退へ 脱炭素に対応
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2014年にシェール革命の波に乗る!と大々的な特集を日経BPで組んだ直後に(もう記事は見当たらない)、3000億近い損失を出し、資源商社としての存在意義が問われた住友商事でしたが、
住友商事/「世界のエネルギー供給図を変えるシェールガスに賭ける」2012年05月17日
http://buffett6.blog.fc2.com/blog-entry-412.html
住商:米シェール事業などで2400億円損失-今期純利益予想を大幅減額 2014年09月30日
https://newspicks.com/news/637252
後に、Newspicksでも特集されたように、資源ビジネスに対しては引き続き積極的な姿勢を見せていました。
【2018年特集】石油資源は枯渇するのか。エネルギーを未来につなぐ方法 NewsPicks Brand Design 2017年12月18日
https://newspicks.com/news/2670491
また、2018年にはシェールオイルの権益を買い増していて、シェールガスは撤退した今もシェールオイルはまだ持っているようです。
住友商事、米でシェール権益取得:日本経済新聞 2018/7/6 https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=2&n_m_code=091&ng=DGKKZO32659560V00C18A7TJ1000
2020年9月7日
住友商事、米シェールガスから撤退 権益を売却
https://newspicks.com/news/5208059/
2011〜2013年頃は、震災後の電力不安の中で、Citiの藤田勉(その裏にはEd Morse)らのシェール救世主論に騙されたんですよね。
三井三菱は抜け出しにくいアセットを持っているし、伊藤忠はシェールは撤退し、在来型油田でロシアイルクーツクやイラク西クルナなど積極的。超大型投資案件の中国コングロマリットCITICも石油開発している。ただ、石井新社長はトレード畑で、非資源に力を入れるとのこと。ロシア水素(アンモニア)のスタディはしてるようですが。
国は石油自主開発比率を2030年に40%以上に引き上げると言っていますが(昨年34.7%)、逆行してますね。
注目のコメント
これは凄い経営判断。元々住友商事は石油開発で他商社に遅れをとっているおり、その分生活産業など非資源の利益貢献が大きい強みがあった。
2015年以降資源関連で赤字や減損が続き、という流れの中ではあるが、それでもここまで大胆は意思決定は驚き。
それだけ資源関連が苦しいということだし、資源をやめることでバランスシード、ROIなどポートフォリオマネジメントにも大きな影響が出る。財務上の強みに繋げられれば、それだけ他の商社に対する強みにもなる。脱炭素への投資のリスクリターンも石油開発とは大きく異なるからだ。
住友商事の今後の投資に注目だし、ますます各商社は同質化から差異化へのトレンドが明確になってきた。いやいや、これLNGだったら凄い判断ですけど、石油のいわゆる上流権益はメジャーと一緒にやる場合でも(脱炭素以外の)環境汚染リスクもレピュテーションリスクも大きく、その割にオイル価格のみならず賃金上昇とか下振れリスクが付き纏い、住友商事くらいの体力だと(将来評価見直しになるとしても)一時会社半殺しにするくらいのことがあり得ますんで、英断とかじゃなくて、そもそも今からやる筈のない博打でしょって感じです。
絶賛コメントが多いけど、住商の石油権益って資源分野全体からするとすごく小さいんだけどね・・・。住商さんの資源分野は非鉄(銅、亜鉛鉛、ニッケルなど)が主力で、原油とかLNGはちょっぴりしか取り扱ってないでしょ。しかも「新規開発」から撤退するだけであり、全体から見るとホンのちょっとだけだと思うけど。これでSDGSやってますと言えるなら安いもんかもしれないけど。