[22日 ロイター] - 米国株式市場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種が反落。IBMやインテルが低調な決算を受けて売られ、相場を圧迫した。また、米経済活動が数カ月以内に完全に再開することへの期待が後退しつつあると、アナリストは指摘する。

IBMは9.91%安。21日引け後に発表した第4・四半期決算は、売上高が市場予想を下回った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景とする経済的な不透明感から顧客が長期契約を見送り、ソフトウエア事業が減収となったことが響いた。

インテルも9.29%安。第4・四半期決算は利益と売上高がともに市場予想を上回ったものの、ゲルシンガー次期最高経営責任者(CEO)が「2023年の製品の大半が自社生産になると確信している」とし、外部委託への明確なシフトを示さなかったことが嫌気された。

しかし、マイクロソフトやアップルが上昇し、相場を下支えしたほか、ナスダック総合を小幅押し上げた。

来週発表されるアルファベット、アップル、アマゾン・ドット・コムの決算に注目が集まる。

S&Pの業種別指数では、エネルギーと金融の下げが目立った。一方、ディフェンシブ銘柄の公益や不動産は値上がりした。

6メリディアンの最高投資責任者、アンドリュー・マイルズ氏は「相場はシクリカル銘柄に対する自信低下の兆候を示している」とし、「経済再開の遅れはとりわけエネルギーセクターへの逆風となるだろう」と述べた。

IHSマークイットが朝方発表した1月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が2007年5月以来13年8カ月ぶりの高水準となったことは、相場を支えた。

週間ではダウが0.59%、S&Pが1.94%、ナスダックが4.19%それぞれ上昇した。

米国株のバリュエーションがドットコムバブル時代以来の高水準に迫る中、市場参加者は、感染力が強い新型コロナ変異種と米国内のワクチン接種計画のつまずきを短期的なリスクとみなす。

バイデン大統領は、米経済危機が深まっており、政府は国民の支援に向け大きな行動を取る必要があると言明した。

前出の6メリディアンのマイルズ氏は「投資家が約1週間前に感じていた安心感の一部は薄れつつある」と指摘した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.00対1の比率で上回った。ナスダックでは1.53対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は127億9000万株。直近20営業日の平均は126億8000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 30996.98 -179.03 -0.57 31141.56 31141.56 30908.47

前営業日終値 31176.01

ナスダック総合 13543.06 +12.15 +0.09 13474.81 13567.14 13463.66

前営業日終値 13530.92

S&P総合500種 3841.47 -11.60 -0.30 3844.24 3852.31 3830.41

前営業日終値 3853.07

ダウ輸送株20種 12856.54 -42.52 -0.33

ダウ公共株15種 857.94 +0.04 0.00

フィラデルフィア半導体 3074.40 -57.77 -1.84

VIX指数 21.91 +0.59 +2.77

S&P一般消費財 1368.13 -4.40 -0.32

S&P素材 468.43 -2.00 -0.42

S&P工業 748.41 -3.72 -0.50

S&P主要消費財 669.71 -1.98 -0.30

S&P金融 504.11 -3.67 -0.72

S&P不動産 229.33 +0.70 +0.31

S&Pエネルギー 317.54 -1.58 -0.50

S&Pヘルスケア 1370.90 -3.82 -0.28

S&P通信サービス 226.14 +0.26 +0.12

S&P情報技術 2339.12 -7.44 -0.32

S&P公益事業 319.68 +0.53 +0.17

NYSE出来高 10.88億株

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 28625 - 5 大阪比

シカゴ日経先物3月限 円建て 28610 - 20 大阪比

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)