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東大って世界の人知らないから(笑)
米国の大学は経済的に就学困難な「優秀な」学生に来てもらうため、給付型奨学金を充実させています。シリコンバレーにあるスタンフォード大学は、年間の学費・滞在費に約800万円必要ですが、両親の年収が約1400万円以下であれば学費・滞在費が免除、約750万円以下であれば学費が免除されます。原資は主に卒業生からの寄附により賄われますが、高所得者を輩出しているからこそできるシステムでもあります。成績は重要で、学生が大学でダラダラと過ごすことは、まずありません。卒業要件も日本と比べるとかなり厳しいです。
難関先への就職のときは、その前段階のインターン生採用で学業成績が重視されるので、学生は良い成績をとることに力を注ぎます(インターンは大学の活動ではなく、大学からは単位は与えません)。履修登録した科目の内「高得点」が取りにくいと考えたなら、科目の履修中止届を出し、平均点を高めるようにする学生が普通にいます。米国では、「社会で必要な能力を付けることができる科目」や「努力をして高得点が取れる科目」に人気が集まります。日本では、「楽に単位が取れる科目」に人気が集まり、単位の最低ラインさえクリアしていれば成績など意識しない学生が普通にいて、学業成績を採用時重視しない企業も普通にあるのとは対照的です。優秀でなければ入れない修士課程、博士課程はそのようなシステムがさらに充実しています。
「大学に必要な費用は出せる人が出す。そこで受けた恩恵は、大学を通じて次に必要な人に返す」というのが、学費の仕組みの全体像です。高等教育に関していえば、このような環境の違いが、高度な素養を必要とする社会領域における日米格差を生んでいると思います。
米国で、成績が水準以下(かつ収入も低い)だと、学費高騰により高等教育を受けにくく、その方々の強い不満が社会に向けられている現状はありますが、比較的学費の安い公立の大学(コミュニティーカレッジ)で学べる手段も用意されています。
また、アメリカの大学では学費も高い上に、大学に多額な寄付をしていたり、親戚にその大学の卒業生がいたりすると入学できる確率が高まるため、そもそも受験の時点から格差が拡大するような構図になっています。そこに加えて、近年の学費高騰で極貧の家庭だけでなく、平均年収の家庭の子供でも大学への入学・進学が経済的な理由から難しくなっています。
バイデンはコミュニティカレッジの無償化、年収$30,000以下の人の学生ローンの無効化、年収に応じた学生ローンの支払いプラン、などを大統領選では訴えていたため、今後の教育面における改革に注目です。
ここまで来てしまった根本原因は、市場圧力の不足 (高くても払う学生さんが留学生含め沢山いらっしゃるから)、だと思っていますよ 次はガバナンスシステムの設計ミス (経営シロウトの"元"教授が管理職になる、成果を出さなくても管理職がクビにならない、個々の管理職にコストダウンをするインセンティブが低い) で、その次が人事システムの問題 (tenureとっちゃうとすごーくクビにしづらい、事務の方々も滅多にクビにしない) ですかねぇ
市場圧力に関しては、コロナで少し変わるかもなので、そこから伝播して行けば、と思っていますよ
「まして有名大学で修士号や博士号を目指すとなると、どれだけかかることになるのやら。」
ここ10年位で、tier1 研究大学では私立州立によらず、博士は fully funded model (全員RAで授業料免除+給料、月給は$3K弱ぐらい) が殆どになったと思いますねぇ それが可能な範囲でのみ入学許可を出しますよ で、お給料と学費 (と医療保険と大学への間接費)を払うのはセンセイのグラントですよ tier1だとPhD一人年間$70-100Kですかねぇ そのうち間接費は学費を除く直接費の50+%です (UCなど低い所もあります) またはNSF、DOD、DOEなどの外部奨学金ですかねぇ(外部奨学金には間接費はかかりませんが、その代わり学費が外部一般の高レートになります、上手くできてるんです)
Fully funded modelでは博士入学時に5年 funding (修士後なら3年) を学科が"保証"するので、TAは主にセンセイの funding gap を埋めるのに使いますねぇ
修士では自費が殆どで、たまに大きな学部必修クラスのTA、実験・フィールドワーク、number crunching系でRAって感じですかねぇ 2年なので、コロナによる学生さん減少のインパクトも大きい部分ですが、一旦進んだリモート授業化で、今後一番変化が起きるのもココでしょうねぇ
9月から学科の大学院担当 associate chairやるので、来年の今頃は大忙しでしょうねぇ。。。
補足します。米国の大学では大学や学部・学科によって事情は大きく異なると思いますが、ティーチングアシスタント(TA)といって講義補助をすることで学費の大部分を免除してもらえたりする制度があります。また、博士課程の学生は一般的にはリサーチアシスタント(RA)などの身分で雇用され、決して大きくはない額ですが給与を得ます。逆に、研究成果がでないと減額や支払い停止になることもあります。このような試みの一部は日本でも取り入れられ、充実しつつあります。
ここからは完全に独り言です。学生視点で学費が高いかやすいかについて論じられています。逆の視点で、1人の学生を育てるのに大学はどれだけのコストをかけているのか取材があると視点が広がって良いと思います。
日本の場合は大学の学費だけではなく、良い大学に進学するための投資がもっと早い段階(中学入試のための塾通い、私立の中高一貫校への学費)という形でかかってきているということが背景にあると思います。したがって大学の学費だけのピンポイントの問題では論じにくいのが日本の現状です。
一方、アメリカの大学のよさ(学校や学部にもよるでしょうが)は、施設/プログラムの充実などもありますが、世界中から生徒や教授が集まっていることや卒業後のネットワークなど、「人が集まる場」にあると思っています。
気の毒なのは、コロナで通学して生徒同士の関係づくりが鈍化してしまっていることです。コロナ禍の学費をどうするか、という問題にどう対応するのか、アメリカの大学の姿勢の変化に注目しています。
つまり小中高をインターナショナルスクールに入れると出来る子は米欧の大学を目指すがそこまでの学費は捻出できないからそもそも小中高から日本人学校に通わせるのだ、という親もいる。更には、それだとあんまりだから、なんとか捻出するが老後資金は必要にて、親子間で金銭貸借契約を結んで進学させるという家もいた。
そのような世界が健全であろうはずがない。が、残念ながら簡単には解けない知恵の輪だとも思う。
自分は建築関連のマスターコースしか調べてませんが、次に高いのはシンガポール。欧州の名門大学は日本と同程度か日本以下のところもチラホラ。また、日本国内の奨学金制度を見ても、欧州の大学院をカバーし得る金額となると枠が倍以上に広がります。
そんな訳で、日本人目線で考えると、もちろんアメリカの大学院はブランド価値も教育環境もネットワークも魅力的ですが、欧州に目を向けてみるのもアリかと思います。
米国名門のコンピュータサイエンス学部に引けを取らない大学がヨーロッパにあるそうで、さらに学費30万円で生活費ももらえるような奨学金もあるそうな。