[ロンドン 22日 ロイター] - ジョンソン英首相は22日、ロンドンや英南東部で昨年末に確認された新型コロナウイルス変異種が高い死亡リスクを伴う恐れがあると警鐘を鳴らした。しかし、同国で接種を行っているワクチンは従来種と変異種双方の予防に有効と強調した。

ジョンソン首相は「変異種は感染力が強いだけでなく、死亡率も高い可能性があると報告を受けた」と述べた。

これに先立ち、英メディアITVの政治記者は政府の保健顧問チームの情報として、データは限られているものの、変異種による死亡リスクは従来型に比べ1.3倍高いとツイッターに投稿していた。

また、英保健省は新型コロナ新規感染者が1日当たり1─4%減少するとの試算を示した。先週時点の最大5%増加するという見通しから大きく改善した。

1人の感染者が新たに何人に感染させるかを示す「基本再生産数」も0.8─1と、先週の1.2─1.3%から低下した。

今週に入り1日当たりの新規感染者数は4万人以下と、2週間前の約7万人から減少している。

しかし、英国家統計局(ONS)の試算では、国内では55人に1人が感染している可能性があり、保健省は「感染者数は依然として危険なほど多く、ウイルス抑制に向けて警戒を続ける必要がある」と警告。「ワクチン接種の有無にかかわらず、引き続き自宅にとどまることが必要」と注意を促した。

22日時点の新規感染者は4万0261人と、前日の3万7892人から増加。累計では350万人超。

死者は約1400人。累計では9万5981人となった。20日には死者が過去最多の1820人に達していた。

ワクチン接種は順調に進んでおり、過去24時間に接種を受けた人は約41万人で、1回目のワクチン接種を済ませた人は累計538万人となった。

イングランドとスコットランドでは今月4日、感染力の強い新型コロナ変異種の感染抑制に向け、全面的なロックダウン(都市封鎖)措置が導入された。

ジョンソン首相は21日、イングランド全体でのロックダウン解除時期について言及するのは時期尚早と述べた。

*情報を追加し、写真を差し替えました。