[ロンドン 22日 ロイター] - 2020年12月の英小売売上高は予想を大きく下回る伸びにとどまった。新型コロナウイルス感染拡大を受けたロックダウン後も期待したほど回復しなかった。一方、公的部門の借り入れは予想を若干上回り、今年度初めからの累計は記録的な水準となった。

英国立統計局(ONS)によると、昨年12月の小売売上高は前月比0.3%増加で、予想(1.2%増)を大きく下振れた。前年比では2.9%増だった。

2020年の小売売上高は1.9%減。衣料の販売が25%を超える減少となり最悪の落ち込みとなった。

英経済は、イングランドなどで発動された4週間のロックダウン(封鎖)で昨年11月は2.6%縮小した。

決済会社イコールズ・グループのチーフエコノミスト、ジェレミー・トムソンクック氏は「11月のロックダウン後の回復が勢いに欠け、小売り業界にとっては楽しくないクリスマスだった」と述べた。

今月、政府はロックダウンをさらに強化し不要不急の小売りも休業対象となった。このため、今年第1・四半期はマイナス成長との見方が広がっている。

ONSが21日に公表開始した英中銀のデータに基づく消費支出の週次統計(季節調整前ベース)によると、直近週はパンデミック前の2月を35%下回った。

昨年12月の公的部門借り入れは341億ポンド(466億5000万ドル)。市場予想は321億ポンド。4─12月の公的部門借り入れは過去最高の2708億ポンドとなった。

12月の公的部門の債務は2兆1320億ポンド、対国内総生産(GDP)比99.4%で、1961/62年度以降で最大となった。

コロナ禍への対応で今年度の借り入れは第2次世界大戦後で最高となる見込み。3月3日に新年度予算を発表するスナク財務相には、与党内からも支出の抑制を求める圧力がかかっている。

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