ゾンビブーム、オカルト、ジャンルレス化。韓国ホラーの最前線を映画ジャーナリスト宇野維正が読み解く
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よい案内です。最後に取り上げられている「ザ・コール」はおすすめ。ひと時も画面から目を離せない映画でした。パク・シネとチョン・ジョンソの実力がいかんなく発揮された作品ではないでしょうか。
この雰囲気が全く違う女優が狂気的なやりとりを展開。若いながら大御所ともいえるパク・シネの胸を借りる形で、チョン・ジョンソの、この人しかない(恐ろしいほどの)魅力が十二分に出ていました。それであるがゆえに、パク・シネの新たな演技も引き出されていたと思われます。本作品、劇場公開からコロナのためにNetflix配信へ変更したといういきさつあり。
また、取り上げられている「哭声(コクソン)」(2016年)は日本人の國村隼をはじめ、チョン・ウヒ、ファン・ジョンミンらの迫真の演技が素晴らしい。韓国映画のこのジャンルを語る上では外せない作品。
なお、ジャンルは大きく異なりますが、チョン・ウヒといえば「愛を歌う花」(2016年)のソ・ヨニ役も必見。歌手顔負けの歌唱力を披露しています。日本統治の時代のため避ける方もいますが、ハン・ヒョジュとの共演とその映像の幻想的な美しさは必見の映画の一つ。
加えておなじくチョン・ウヒの「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」(2014年)は実話ベースの問題作であり、社会的な問題提起も含む同作品に体当たりで臨んだ彼女には拍手を送りたい。同年に上映された実話ベースの「明日へ」(2014年)にも。「ワンデイ 悲しみが消えるまで」(2017年)には涙を誘われた。「サニー」(2011年)も良い映画でした。
チョン・ウヒは、芸歴が長くもう中堅を超えてベテランの道を歩んでいますが、これからまだまだ魅せてくれる素晴らしい女優の一人として注目しています。