(ブルームバーグ): 独フォルクスワーゲン(VW)は昨年、欧州連合(EU)が厳格化した排ガス基準にわずかに届かなかった。大手自動車メーカーの中で電気自動車(EV)への積極姿勢が目立つ同社にとって、不本意な結果となった。

走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量の削減が基準値まで約0.5グラム足りなかった。これに伴い1億ユーロ(約130億円)強の罰金が科される。ただ同社は既に基準未達の場合に備え引当金を計上しており、決算には影響しない。

VWでは新型コロナウイルス感染拡大に伴う混乱で、電動ハッチバック「ID.3」投入に伴う問題が悪化した。同モデルの発売はソフトウエアなどの問題で予想よりかなり遅れた。同社の昨年の欧州EV市場シェアは約25%と業界内で最高だったが、EV以外の車種による排ガスを相殺するには不十分だった。

ヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)は発表文で、グループ内ブランド群でのEV拡充によって「今年は当社全体の目標を達成できる」と述べた。

原題:VW Faces Small Fine After Missing Europe CO2 Emissions Target(抜粋)

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