[ロンドン 22日 ロイター] - 日産自動車は、英国製の電気自動車(EV)に対する欧州連合(EU)の関税を避けるため、英国内でのバッテリーの調達を増やす。アシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)がロイターの取材で語った。

昨年12月24日に英国とEUが合意した自由貿易協定(FTA)では、原産地規則を満たす場合には自動車への関税10%が免除される。

グプタ氏は、英イングランドに工場を持つ日産にとって、「リスクと捉えていた英国のEU離脱(ブレグジット)は好機に転じた」と語った。

日産は英サンダーランド工場でEV「リーフ」を生産しており、大半は国内で調達した40キロワット時のバッテリーを搭載しているため、EUの関税は引き続きかからない。

だが、より強力なモデルには輸入したバッテリーを使うため、今後はこれらを英国で調達するという。

グプタ氏はまた、今年1月1日以降、港で起きているブレグジット関連の問題については「日産が過去に津波や地震、洪水などを克服してきたことを踏まえれば、ささいなことだ」と指摘。

「世界的なメーカーにとって、国境で提出する文書が増えるのは大したことではない。当社はそのためにソフトウエアと手続きを更新した。問題ない」と語った。

英国は2030年以降、新たなガソリン車の販売を禁止する。

グプタ氏は「EV需要は増え続ける。つまり、こうした技術への投資利益が増え続けるということだ」と述べた。