資生堂、TSUBAKIなどの日用品事業を1500億円超で売却へ
コメント
選択しているユーザー
譲渡する事業は、資生堂さんにとっては重要な事業ではないということで、株主総会の承認は不要ということですね。(会社法を勉強中のため、復習してみました。)
《売却価格は1500億ー2000億円の見込み。事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。複数の関係者によると、近く取締役会を開いて正式決定する方向で調整している。売却するのは、同社が「ライフスタイル」と位置づける事業で、へアケアブランドの「TSUBAKI(ツバキ)」や、低価格帯のスキンケア、ボディーケア商品などが含まれる。》
参考 会社法第467条第1項
(事業譲渡等の承認等)
株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。
二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。)
注目のコメント
ドラッグストア、量販店から普及版の「資生堂」ラインをなくすことで、高価格帯の資生堂製品のブランド価値を高めていこうとする戦略のようにも見えます。クレ・ド・ポーがゲランやラ・プレリーなどと同列に並ぶためには、やはり普及ラインのイメージが微妙に足を引っ張る。逆にこれまではレンジが広すぎた感があります(それでもやっていけたらよかったのですが)。
これが吉と出るかどうかはともかく、このような英断は経営のプロである魚谷さんだからできることであるという点は間違いないでしょう。
武田薬品が社長にウェバー氏を迎えたり、そのウェバー氏がド派手な大型海外買収を繰り返し業を煮やしていたところにシャイア買収がとどめを刺してブチ切れたOBたちから「けしからん!」「武田じゃなくなった」といった怒涛のイチャモンが来たことから連想するに資生堂も容易に想像できます。
今回のディールは合理的ですし既定路線であったとは思いますが、生え抜き社長がこんなことをしようものならTSUBAKIなどを手塩にかけて育ててきたOBたちを鎮めるにも収拾がつかなかったはず。売却先がファンドということもありカーブアウト(事業の切り出し)案件としては相応な難易度があるように思います。営業やバックオフィス、IT等もそうですがR&Dが1番気になります。当然さまざまな領域において一定期間資生堂さんが支援する契約を結ぶと思いますがなかなかややこしそう…