[東京 22日 ロイター] - 英タイムズ紙が与党幹部の話として報じたところによると、日本政府は、新型コロナウイルス感染症流行のため東京五輪を中止せざるを得ないと非公式に結論付けた。政府は2032年五輪の東京招致に照準を合わせるという。

日本は他の多くの先進国ほど新型コロナの打撃が深刻ではなかったが、このところの感染者急増を受け、政府は外国人の入国を原則禁止し、東京など主要都市に緊急事態宣言を再び発令している。

最近の世論調査では、選手団の入国による感染拡大への懸念などから、国民の約8割が今夏の五輪開催を望んでいないとの結果が示された。

タイムズ紙は、こうした世論を背景に、日本政府は将来的な東京五輪開催の可能性を残した上で、今夏の五輪中止を発表することで面目を保つ道を模索していると伝えた。

先の与党幹部は同紙に対し、「誰も言い出したがらないが、(開催は)極めて困難という結論は出ている」とし、「個人的には開催されると思わない」と語った。

東京五輪組織委員会はこの報道に関するコメント要請に応じていない。

オーストラリアと米国の五輪委員会は22日、予定通り五輪の準備を進めていると表明した。

米オリンピック・パラリンピック委員会は「2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する公式発表は、国際オリンピック委員会(IOC)、東京五輪組織委員会、日本政府が行う」とツイッターに投稿。「五輪が予定通りに実施されないとの情報は受け取っていない」と述べた。

オーストラリア五輪委員会は「オーストラリアの選手団が東京に入り、競技を行い、新型コロナに感染せず安全に帰国できるよう、計画の策定を継続している」との声明を発表した。

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