[チューリヒ 20日 ロイター] - 米ファイザーの新型コロナワクチンワクチン供給の遅れを巡り欧州では批判が高まっており、訴訟に直面する可能性が浮上している。

ファイザーと独ビオンテックは先週、共同で開発する新型コロナワクチン増産に向けた製造工程の変更を理由に、欧州諸国とカナダ向けの新型コロナワクチンの供給を一時的に削減すると明らかにした。今月25日をめどに当初の供給計画に戻る見通しという。

イタリアの新型コロナ問題に対応する特別長官は20日、同国へのワクチン供給が29%削減されることを踏まえ、ファイザーを提訴することを検討していると明らかにした。

ドイツのシュパーン保健相は、ファイザーのワクチン供給削減に不満を表明し、同国のワクチン接種計画が変更を余儀なくされる見通しとした。

スイスも直近受け取った供給量が予想以上に少なかったと明らかにした。同国のスキーリゾート、サンモリッツでは約10人に感染力が強いとされる変異種感染が確認され、高級ホテル2軒の従業員と宿泊客らが隔離されたばかり。

一方、明るいニュースも聞かれ、ファイザー・ビオンテック製の新型コロナワクチンが英国で見つかった感染力の高い変異種にも予防効果を発揮し得ることが新たな実験で分かった。

また、中国共産党系メディアの環球時報は15日付の社説で、米英メディアが「ファイザー製ワクチンの推進と中国製ワクチンの中傷を目的に宣伝力を駆使し、死亡例を意図的に軽視している」と批判した。