[フランクフルト 20日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、英国で見つかった感染力の高い変異種にも予防効果を発揮し得ることが、新たな実験で分かった。

ファイザーは今月に入り、ワクチンが英国や南アフリカのコロナ変異種に効果があるもようだと発表しているが、今回の結果は一段と広範な分析に基づいている。

ビオンテックの共同創業者らが行った実験では、過去の臨床試験(治験)でワクチン接種を受けた被験者16人の血液サンプルを変異種(B117)に似せて作った偽ウイルスに暴露。その結果、血中の抗体が偽ウイルスを中和したという。査読(ピアレビュー)はまだ行われていない。

論文では、今後もウイルスの変異でワクチンの予防効果が保たれるかどうか注視する必要があると指摘した。

フランシス・クリック研究所でウイルス科学を研究するジョナサン・ストイ氏は「英国の変異種がワクチンの予防から逃れる可能性は非常に低いと考えられる」とした上で、今後、南アフリカの変異種に対しても同様の実験が行われることを期待していると述べた。