[20日 ロイター] - 豪英資源大手BHPグループは20日、2021年度の鉄鉱石生産が過去最高になるとの見通しを示した。ブラジル事業の再開や鉄鉱石価格の上昇が背景。

約5年前のダム決壊事故を受けて操業が停止されていたブラジルの同業バーレとの合弁事業サマルコは、昨年12月に生産を再開した。

BHPは2021年度の鉄鉱石生産予測を2億4500万ー2億5500万トンに上方修正。従来予測は2億4400万ー2億5300万トンだった。

ファット・プロフェッツ(シドニー)のデービッド・レノックス氏は「上半期の業績が良好なものになるのは間違いない」と述べた。

中国の鉄鉱石需要は旺盛で、BHPなど資源会社の追い風となっている。

BHPは西オーストラリア州の10─12月の鉄鉱石生産が3.5%増加したことも明らかにした。

鉄鉱石価格は先月、供給不安や中国の刺激策を受けて、初めて1トン=1000元(154.04ドル)を突破した。これを受け、資源大手のBHP、リオ・ティント、フォーテスキューの株価は高値を更新している。

ただBHPは、マウント・アーサー炭鉱などを含む「ニューサウスウェールズ・エナジー・コール」の資産に関連して、2021年度上期に11億5000万ー12億5000万ドルの評価損を計上するとの見通しも示した。

ある銀行関係者は、適切な売却先が見つかっていないのだろうとの見方を示した。

銀行や投資ファンドは、気候変動問題を理由に一般炭事業向けの投融資に消極的になっている。また、中国は豪州産石炭の輸入を非公式に制限しており、マウント・アーサー炭鉱の低品位の石炭は特に打撃を受けている。