[ワシントン 19日 ロイター] - バイデン次期米大統領が国務長官に指名したブリンケン氏は19日に開かれた指名承認公聴会で、同盟国などとの関係修復に取り組み、国際的な連携を通じてロシア、中国、イランがもたらす問題に対処する考えを表明した。

「同盟関係の修復と再生が大きな課題になる。まずは姿を再び現す必要がある」と指摘。「同盟国やパートナー国の一部は、これまでの数年を踏まえて米国の対外関与の持続性に疑念を抱いており、これは壁の高い難題だ」とした。

同氏は、世界にとって米国のリーダーシップが重要な理由についても説明し、米国人に有益な外交政策を推進すると確約した。

公聴会でブリンケン氏(58)は超党派の議員から称賛を受けた。問題なく指名承認されるとみられる。

今月に起きたトランプ大統領の支持者による米議会議事堂襲撃は世界に衝撃を与え、米国の国際的な地位をさらに悪化させた。これについてブリンケン氏は謙虚になるべきだと強調し、米国の民主主義を強化する必要性を訴えた。

「謙虚というのは、海外での地位向上のために国内で取り組むべきことが多いという意味だ」とした。

ポンペオ現国務長官が「自信満々」な国務省を取り戻すべきとしていたのとは対照的な発言だった。

<中国は最重要課題>

中国についてブリンケン氏は、米国にとって最重要課題なのは「疑う余地がない」と強調。トランプ政権の対中強硬政策は、全ての手法に賛同しているわけではないが、正しかったと語った。トランプ政権が19日に、中国が新疆ウイグル自治区でウイグル族などイスラム教少数民族に対し「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を犯したと認定したのにも支持を表明した。

ロシアへの対応も優先順位が非常に高いとしたほか、北朝鮮への政策を見直し、核・弾道ミサイル開発を巡る交渉にどのように復帰させるかについて同盟国と緊密に協議する考えを示した。

イランについては、2015年の核合意に米国が復帰するには「長い道のり」があるとの認識を示した。トランプ大統領は2018年に同合意から離脱している。