シンガポールのCrown Technologies、JR東日本から資金調達——コーヒーバリスタロボットを駅ナカに展開

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Crown Technologies の AI バリスタロボット「ELLA」
Image credit: Crown Technologies

シンガポールを拠点に自律型コーヒーバリスタロボットを開発するスタートアップ Crown Technologies は、東日本旅客鉄道(JR 東日本)の子会社である JR 東日本東南アジア事業開発から戦略的越境投資を獲得した。

この投資により、大量供給環境での無人・非接触型の小売業務向けに設計された、AI バリスタロボット「ELLA」の展開が加速する。

ELLA は、1日平均1,700万人の乗客を乗せる JR 東日本の1,657駅のネットワーク全体に展開され、東京オリンピックに向けた需要の増加に対応する予定。

日本は、社会的課題を解決し経済成長を実現するために、AI やロボットを活用してイノベーションを起こし、最先端を行くことで知られている。我々がシンガポールで構築した技術がまさにその目的を果たすことに彼らが賭けてくれたことで、そのマップに我々が配置されるだけでなく、我々が過去2年間で疲れを知らずに働いてきたビジョンを最も強く証明することになる。(Crown Technologies の CEO 兼創業者 Keith Tan 氏)

Crown Technologies の CEO 兼創業者 Keith Tan 氏
Image credit: Crown Technologies

ELLA は、特許を取得した独自の IoT に接続されたソフトウェアと外部ハードウェアで構成されるエコシステムを搭載しており、Crown Technologies によれば、提供スピード、利便性、品質、一貫性を備えたコーヒー体験をアップグレードするという。各キオスクでは、1時間に200杯のバリスタ品質のコーヒーを生産することができ、1日24時間・週7日稼働可能だ。

ELLA はモジュール式のセットアップにより、日本市場向けにローカライズされた製品を提供することができる。

インタラクティブで透明な有機 EL 画面や、独自の決済ゲートウェイや電子ウォレットを備えたモバイルアプリの注文システムなど、没入感のある革新的なデジタルタッチポイントにより、JR 東日本はエンドユーザを直接ターゲットにした広告や通知など、無数のエンゲージメントの可能性を活用することができる。

バックエンドでは、AI を搭載した画像認識機能がキオスクを24時間365日監視し、ELLA のオペレーションに影響を与えるような異常がないかどうかを確認している。

一方、独自のモバイルアプリを搭載したフルフィルメントモジュールは、予測分析を用いて需要を予測し、サプライチェーン管理をデジタル化することで、JR 東日本はビッグデータの力で無駄のないフルフィルメントチームだけでキオスクの補充やサービスをサポートすることができる。

ELLA は、AI を搭載した協働ロボットの活用で変革をもたらす。ELLA は密閉されたチャンバー内で動作し非接触であるため、ポストコロナのシーンで安全性を確保している。(JR 東日本東南アジア事業開発のマネジングディレクターの大見山俊雄氏)

今回の戦略的な資金調達ラウンドに続き、Crown Technologies はまもなくシリーズAラウンドを開始し、シンガポール全土に30台の ELLA の商業ベースのユニットを追加ローンチする予定だ。同社は2020年10月、最初の商業ベースのユニットをローンチした。

【via e27】 @E27co

【原文】

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