エプソン、好業績を引っ張る意外なプリンタ
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今後は、モノの売り切りでなくて、メンテ、消耗品、コンテンツ等のサービスや事業で儲ける時代だ。僕は、商社にいてモノの売買の限界を感じていた。その商社も、もうモノの売買では殆ど儲けていない。モノを売るなら、それに付随するサービスでどれだけ儲けるかを考えるべきであろう。
"非純正インクの使用比率が高く、利益源であるはずの純正カートリッジが思うように売れない"という課題を、"純正品を使わざるを得ない"「大容量タンク」というソリューションで解決したワケか。
そのうち『プリンタ本体は無料で配布し、インクで稼ぐ』みたいなフリーミアムモデルがプリンタ市場でも出来たりして。このインクカートリッジ→大容量インクタンク戦略は今に始まった戦略ではない。2010年モデルから仕込みが始まっており浸透がようやく進んだという理解。
下記URL記事中にあるが、
「新興国では、セイコーエプソンのインクジェットプリンターを調達し、インクタンク付きに改造し、再販するケースが多かった。「エプソンのインクジェットプリンターは、耐久性において高い評価を得ている。むしろ、この特徴を利用されて、改造されていた」と、セイコーエプソンの碓井稔社長は苦笑する。耐久性の高いセイコーエプソンのプリンターを改造し、インクタンクを付属すれば、長期間に渡って使えるため、地元の業者にとっては、クレームが少なくて済むというわけだ。」
ということで、随分と長いことエプソンは自社製品の強みを活用した収益化が新興国市場では出来ていなかったのだが、それを自社製品に搭載し、毒喰らわば皿まで、ということで新興国市場を取りに行ったということ。一時凌ぎというのは10年単位でいえばそうかもしれないけど、勇気を持って新興国市場に対抗した結果、きちんと売上と利益を確保し、リーマンショックの落ち込みから立ち直って次への戦略的投資が可能なキャッシュを得た手腕は評価すべきだろう。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20110218/1034552/
ペーパーレス社会への対応としてはセイコーエプソンは電子ペーパー事業でe-inkと協業したりしてるが、部品事業に位置付けらがちなディスプレイや電子ペーパーそのものの開発はそこまで進んでいない。
あと、ペーパーレスのことを声高に言う人が随分と多いようですが、紙がどれくらい便利な文明の利器であるかを真剣に考えたことはあるのだろうか。折り曲げてもいい、丸めてもいい、厚みは大したことない、書いてもいい、印刷してもいい、破ってもいい、切ってもいい、折り紙も出来る、トイレ紙にもなり、鼻紙にもなり、ポスターにもなり、新聞にも雑誌にも本にもなる。無限の用途がある紙の代替物などそう簡単に出てくるものではない。電子化で代替出来る用途などたかが知れているのだ。有力な印刷機メーカーが日本にあるのは雇用という側面ではとても喜ばしいことだと私は思う。次の一手に期待したい。