この連載について
教養を身につけたいけども、忙しすぎて学ぶ時間が取れない。一方で、日々のニュースだけでは、体系的な知識を得られない──。そんなビジネスパーソンに向けて、NewsPicks編集部が月ごとにテーマを設定し、専門家による解説記事をお届けする。週末のひとときで、手軽に「新書一冊分の知識」を体得してほしい。
この連載の記事一覧

【必読書】PEファンドの実務をさらに深く学べる「13冊」
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【実例集】投資先の「バリューアップ」。その具体的方法とは?
NewsPicks編集部 876Picks

【週末に学ぶ】事業再生だけではない。PE投資の「7つの型」
NewsPicks編集部 808Picks

【新】謎のプロ集団「PEファンド」とは何か
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【実践】長期投資の「よくある疑問」をプロが徹底解説
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【盲点】長期投資で「やってはいけない」3つのこと
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【新】人生100年時代の必須教養「長期投資」のススメ
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【秘技】目標倒れにさせない。KPIを「うまく」運用するコツ
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【プロ解説】SaaS企業の「最適KPI」を徹底的に考えてみた
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【実践解説】機能するKPI、しないKPIの分かれ目
NewsPicks編集部 1569Picks
最近のsaas企業の高い時価総額は、営業利益こそ赤字であるものの(当然未来においては営業利益が出続ける構造になるはず、という高い期待がある)構造的に強靭な企業とみなされうるからなんだろうな。
こうやって俯瞰すると改めて自社の課題もみえてくる。奥野さんやバフェットに投資してもらえるような会社にしていくぞー!
これは、長期投資先を選定する際の要件となるとともに、ビジネスパーソンが自らの企業のビジネスモデルを考える上でのフレームワークとしても機能します。このようなビジネスモデルの紹介は、我々のファンド「おおぶね」の月例メンバーシップカンファレンスでも取り扱っています。
また、前回コメントの多かった「複利効果」についても簡単に触れています。
「真の複利効果」とは、「企業価値」について効いてくるものです(一般的な株価ではない点に注意)。
真に強い企業が、自らが叩き出す利益を社外流出させずに、自らの強いビジネスに再投資することで時間の経過とともに企業価値を指数関数的に膨張させることを「企業価値の複利効果」といいます。これは結果として長期的な株価にも効いてきますが、あくまでもこの株価の複利効果は企業価値の複利の結果であるとの認識が必要です。
このプロセスを理解すれば、成長期のマイクロソフトがなぜ無配だったのか、Amazonがなぜ無配なのかが腑に落ちるでしょう。と同時に「配当を求めること」「利益確定をすること」がどういうことなのかを本質的に理解することができると思います。この理解は決して一般的な感覚とは相容れないものかもしれませんが、長期投資家としてはFinancially correctな理論としてしっかり押さえておくべきことなのです。
この論点については、別の視点から「長期投資を阻む壁」の一つとして次回も取り扱います。
お楽しみに。
香りの優良企業であるジボダンの例や、獣医が医者に比べて相対的に(リスクやコストに対して)アービトラージが効いている例、そしてティファニーのブランドによる銀製品の利益率のよさ(ハリーウィンストンのダイアが50%に対し70%) などが挙げられている。ネットの情報社会になり、こういった本質を見抜くのがますます簡単になってきてる。情報がより整理されれば、今まで一部の人が受けていた適切な長期投資の利益が、より広く全ての人が豊かになることにつながっていく。
それを判断するには、株主総会やイベントなどで、その人のリアルな声を聞くことが大切です。部下が用意したようなものを単に読み上げているだけの「無難なサラリーマン社長」ではだめです。この観点でも是非見てみてください。
もう少し広い視野では、NPでも何度か登場している、長期投資で「働く株主」を標榜しているみさき投資の新刊、「三位一体の経営」がとても良い本でオススメです
https://www.amazon.co.jp/dp/4478112258/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_t34aGb7CMRR48
下記は前著のときの記事
https://newspicks.com/news/1643040
ここで掲げられている「複利の経営(=投下資本に対してしっかり稼ぎまた次の投資をしていく)」は最近日経新聞でも何度か使われていますし、WACC、ROIC、ROA、ROEの関係を表した「みさきの黄金比」など、すぐに活かせるフレームワークも多く、専門的な内容をとても読みやすく書いてあります
根源的な欲求という普遍性にどれだけ強く訴求できるか。流行り廃りではないもの、記事だとDisneyが良い例だと思うが、の見極め。
近年、企業・事業経営でも投資でも難しいのが、テクノロジーの影響が増す中での「長期潮流」との付き合い方だと思う。
長期潮流を正確に判断することは、長期で障壁を構築・深化させるための前提。ただ、目に見える世界では、流行り廃りもあり、また長期潮流ではあるが早すぎた・遅すぎたというのは、ハイプサイクルからも分かる人間の間違い方。そしてユーザーは競合含めて比較・利用し、競争の影響もある。これらから見える結果についても、見方は人それぞれだから、自社にとって適切な長期潮流やその時間軸を見極めて確信をもって信じて執行し続けることはとてつもなく難しい。
そして、年・四半期での業績も「見える化」される。経営としてリスクテイクをし続けることが、勝ち抜くために必要だと分かっている。けれどダイナミックに環境が動く中で、長期の確信をどれだけ信じてリスクテイクし続けられるか(一方で盲目的にならないように健全な懐疑心・ガバナンスも必要)、その途中でおこる変化や新しくわかったことにもフレキシブルに対応できる組織能力が求められ、矛盾する無理難題が山積する。
投資でも同様で、Salesforceなどは「良い会社だがずっと高い」といわれて、これまでずっと成長している。企業を買うという点では買っているべきなのだが、長期潮流だけでなくバリュエーションをどう考えるか。特にテクノロジー系は、技術自体が変わることでトッププレイヤーが変わるし、そこへの期待値も大きい。全体としては明確な長期潮流だが、例えばMicrosoftをITバブルが崩れていく中やモバイルシフトに失敗した時でも持ち続けることが正なのか(その後もEPSは伸び続け、またど真ん中の企業でありながらエンタプライズ・クラウドシフトでITバブルのピーク株価を優に超えている数少ない企業でもある)。
テクノロジーだけではない、自社がこれまで蓄積してきた業界の知見の掛け算が必要な領域で、先行できる・真似しにくい・付加価値が高い、そういう構造を創れるか。
とても難しいからこそ、その構造を創れて、付加価値が高い産業で、高い参入障壁があり、長期潮流にのっている企業は企業価値で複利構造となる。
他方、事業の両輪で組織や経営・カルチャーと言うのも大きな要素になると思います。ここは正解はないですが、蔑ろにして一夜にして城が崩れ落ちる事例は太鼓の昔から枚挙にいとまがないですね。
こういう強靭な企業を発見し、ちゃんとリターンを獲得できた時は投資家として最大の「快感」だと思います。笑
ただ、こうした企業は当然にしてゴロゴロ転がっているわけではなく、多くの企業は要素のうち何かが足りないわけです。
未上場企業に投資するPEファンド、中でもバイアウト型ファンドの場合は、上場企業への投資と異なり、直接的に企業の経営に「手を入れる」ことができます。
投資家(株主)が、その「足りない何か」を発見し、手を入れる(支援する)ことで大きく改善することができれば、企業価値は非連続的に増大する可能性があります。PE投資の醍醐味はそこにあるのだと言ってもいいかと思います。
特に中小企業の場合、「大企業になれず中小企業にとどまっている理由」があるのが通常なので、その障害をどうにか取り除ければ一気に飛躍する可能性もあると信じています。
ファンドの場合は株式の保有期間が数年間に制約されるので、本当は10年スパンで考えられる自己資金での投資をやりたいですね。バークシャーのように。
そういう企業へ投資が集まるよう、消費者が求めていくよう、長期的な価値創造を可視化するための指標が必要だと思います。