広がる「産業のコメ」騒動 自動車に半導体不足の逆風
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下記言及が気になっている。
車載は使う環境含めて認定(スペックイン)が民生・電子機器より厳しいはず。一般論として電子機器のほうが自動車より在庫サイクルが短く、落ち込みも回復も早い。それによってキャパシフトしたのであれば、需要が回復している今の部品切れは時間の問題。生産は続いていたが「民生品を買い負けている」のであれば、そのうちキャパも増えて買えるようにはなると思う。ただこの場合は根本部分で、車載用半導体の耐環境性能などの付加価値・ノウハウがコモディティ化しているということの示唆。
様々な半導体があり、またエンジン回りと室内で使うのの違いなど、グラデーションがあるので一緒くたに議論はできないものだが、頭の片隅に方向性・可能性として留めておきたい。
『自動車の機能の複雑化に伴い、独コンチネンタルなど部品大手は汎用チップの活用を増やしている。つまり、これまでクルマ向けだったラインを民生品向けにシフトするのに支障はない。これと前後して「ファブレス(工場なし)企業などがファウンドリーのキャパシティーや材料の買い占めに走った」(取引関係者)。自動車会社が調達を元に戻そうにも、そこにはもう「余裕」がなかったというわけだ。』いくつの要因が重なってこのような状況になったと考えられる:
* 車用マイコンのほとんどが古くて、生産ラインも昔の設備が使われてる。そのような古い生産ラインの生産設備は既に製造するメーカーがいなくなったため、ファンドリーは生産ラインの拡張しようとしてもできない。
* 去年の後半より8インチなどの古い生産ラインで作られた製品に対する需要が一気に高まり、各ファンドリーの生産キャパシティが余裕のない状態がずっと続いた。原因はいくつもあるが、とある大口の顧客のニーズが急に高まったと聞く。
車メーカーは産業界においては売り上げが高く発言力も高いが、スマホやPCなどのIT製品と比べて販売する台数が桁違う。車向けの半導体は月10万があれば多いほうだが(車一台に一個使うとしたら)、スマホ向けの半導体は月数百万が普通。これでファンドリーにとっても車向けの製品の優先順位が低く、車向け製品のために生産ラインのキャパシティが確保しにくくなる。
この状況は解消の見込みがまだ見えなくて、いまわかる範囲でも最低今年の半ばまで続くと思われる。各社の調達担当はしばらく大変な時期が続くだろう・・・