2021/1/15
【新】人生をラクにする「生命科学的思考」のススメ
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、「起業家・経営者」と「生命科学の研究者」という2つの顔をもつ、高橋祥子氏だ。
2013年、東京大学の大学院在籍中にジーンクエスト社を設立。体質や疾患などに関する遺伝子の情報をユーザーにフィードバックし、さまざまな研究機関と遺伝子の未知の機能を研究・解明するという、ゲノム解析サービスを提供している。
高橋氏が起業し、会社経営をする中で気づいたことは、「人生や組織マネジメント」と、研究者として解明してきた「生命の仕組み」には共通点が多いということだった。
生命の原理原則を知って応用すれば、個人の生き方や、組織における円滑なコミュニケーション術、そして人類全体の課題解決のヒントにつながると、高橋氏は考えている。
高橋氏の最新刊『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』(ニューズピックス)では、「生命原則を客観的に理解した上で『自分はどうしたいか』という主観的な意志を活かす思考」を「生命科学的思考」とよび、この意志こそが人類にとって唯一の希望であるとも述べる。
人生や組織マネジメントに共通する、生命の原理原則とはどういうものか。そして、生命科学的思考で見える新しい価値観とはどのようなものなのか、3回にわたって高橋氏に解説していただいた。第1回は、人生の見え方が一変する思考法だ。
なぜ生命科学的思考は人生に有用か
──高橋さんは新著で、生命科学の知見を個人の生き方や組織マネジメントに活かす「生命科学的思考」について解説しています。これを身につけたきっかけは何だったのですか?