【解説】ESGに背を向ける企業は、危ない
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アメリカにいると、気候変動が本当に身近で、あらゆる企業が脱炭素への対応を打ち出している一方で、Greenwashingという言葉を頻繁に耳にします。上辺で環境配慮を打ち出している企業のことです。
今やただマーケティングで環境やサステナビリティを謳えば良いだけの企業ではなくなり、本業でのコミットメントが求められる。名和先生のお話をきいて、さらにその確信を深めさせられました。今週の日経ヴェリタスで植田和男先生(元日銀審議委員、東大金教育センター長)が「ESG礼賛論は根拠薄弱」と一刀両断しています。私は大きく頷けるものでした。ESGに背を向ける企業を危ない、としつつももはや近年のムードは盲目的に過ぎ、少なくとも年金基金などにおいてこれを念頭に置いた運用を強いるのはどうかと私も思います(年金基金はリターンが出なければ元も子もありません)。エリサ法の論点然りですが、「善業がしたければ個人でやるべき」という行き過ぎたESG礼賛にブレーキをかける記事も見たいと私は思います。
前半のESG投資の議論ももちろん参考になるのですが後半の日本企業の特徴、課題に強く共感しました。私自身、米国大企業による日本企業のM&A、PMIを7年間どっぷりやったのですが、米国企業の「すごい!」というところと「うーん」というところ両方感じました。欧米企業は仕組み化、モデル化、標準化されたベストプラクティスのはめこみ等は本当に強いですし、ボトムラインに思いっきり効きます。もっともっと日本企業が学んで取り入れないといけない部分だと思います。名和先生が言われる通り「もったいない」。
---以下本文記事より引用---
日本も海外も無形資産を大事にしていることは共通なんですけども、日本は「匠」を、海外は「仕組み」を多用しています。
「匠」はみんなの創意工夫です。まさに匠の世界で、日本の現場が最も得意としている力です。だけども、これは深いのだけど、スケールしにくい。
一方、海外は「仕組み」に落とすのが、とてもうまい。中国やインドも含めて、スケールとスピードが圧倒的にうまい。
しかし、一皮剥くと、割と当たり前のことしかやっていないし、標準化してしまう。つまり、仕組みに落としてしまうと、匠の深さが出ないのです。