[東京 13日 ロイター] - 加藤勝信官房長官は13日午前の会見で、菅義偉首相が12日のビル・ゲイツ氏との電話会談で東京五輪について「必ずやりきる」と発言したことを否定し、そのような表現はしていないと述べた。政府として公表した発言ではなく、政府としては大会に向けた準備をしっかり進めていきたいとした。

菅首相は12日、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏と電話会談した。ゲイツ氏が新型コロナウイルス感染症克服に向け「東京五輪・パラリンピックの開催は世界に大きなメッセージになる」と訴えたのに対し、首相は「大変重要な問題なので、必ずやりきる」と応じた。同席した新浪剛史サントリーホールディングス社長が記者団に明らかにした。

加藤長官は「ビル・ゲイツ氏との会談においては、『必ずやりきる』という言葉は使っていない」と述べた。その上で「すでにスケジュールや会場も決まっており、アスリートや関係者が一丸となって成功に向けて取り組んでいるところだ」とし、引き続き大会の成功に向けて準備を進める姿勢に変わりはないことを強調した。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、政府が緊急事態宣言の対象地域の拡大を検討していることについて、同長官はきょうの基本的対処方針等諮問委員会での結論を経て夕刻にも決定すると述べた。

対象地域の拡大について、同長官は「知事からの要請とは関係なく、感染状況や医療提供体制の状況をみて、専門家の意見を聞いた上で判断する」と説明し、必ずしも知事からの要請が必要というわけではないとした。ただし、宣言実施の際には、自治体との緊密な連携が必要だとの認識を示した。

また、緊急事態宣言の対象地域における時短要請への協力金給付については、1都3県と同様に1日当たり6万円を上限とするとした。

(中川泉 編集:山川薫)