[12日 ロイター] - 米国の複数の権利擁護団体は、米アルファベット傘下の動画投稿サイト、ユーチューブがトランプ大統領のチャンネルを削除しない場合、同社への広告掲載をボイコットするよう呼び掛ける方針をロイターに明らかにした。

ソーシャルメディアへの広告ボイコットは昨年、トランプ大統領のヘイト(憎悪)発言に明確な対応を取らなかったフェイスブックに対して広がった。フェイスブックの広告ボイコットには昨年7月時点で1000社以上が参加した。

その運動「ストップ・ヘイト・フォー・プロフィット」で主導的な役割を果たしたジム・スタイヤー氏によると、同運動の主催団体がユーチューブに対し、トランプ氏の公式チャンネルを削除するよう求めている。同チャンネルの登録者は276万人に上る。

フェイスブックやツイッター、スナップは、トランプ支持者が先週、米議会議事堂に乱入した事件を受けてトランプ氏のアカウントを凍結した。トランプ氏の投稿を禁止していないネット大手はユーチューブのみとなっている。

スタイヤー氏は、ユーチューブチャンネルがトランプ氏に選挙が盗まれたという偽情報を拡散し続ける機会を与えていると批判。

トランプ氏のユーチューブチャンネルには12日だけで8つの新たな動画が投稿された。このうち1つでトランプ氏は記者団に自身のアカウントを凍結した「ビッグテック(大手テクノロジー企業)はひどい過ちを犯した」と述べている。

ロイターはユーチューブとホワイトハウスにコメントを求めたが、現時点で回答を得られていない。

スタイヤー氏によると、ユーチューブは団体側に削除要請を検討していると表明したが、行動はまだ起こしていないという。「ユーチューブが他のプラットフォームと同様にトランプ氏の投稿を禁止することに同意しないならば、広告主に訴えることになる」とした。

「ストップ・ヘイト・フォー・プロフィット」の主催団体には全米黒人地位向上協会(NAACP)やユダヤ人団体「名誉毀損防止同盟」、スタイヤー氏の団体「コモンセンス・メディア」が含まれる。フェイスブックへの広告ボイコット運動では米ベライゾン・コミュニケーションズや英日用品大手ユニリーバなど大手広告主の参加を取り付けた。