[12日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は12日、新型コロナウイルスワクチンの普及を受け、米経済は今年下半期に力強く回復するとの見方を示した。ただ経済は感染拡大の影響をなお受けているため、金融政策は緩和的に維持されると述べた。

グレーター・ボストン商工会議所のオンラインイベントで、「ワクチンが広範に普及するまで、感染拡大は経済と公衆衛生に対する問題であり続ける」と指摘。「ただこうした中でも、大幅な財政政策と金融政策による支援で、下半期には力強い回復が始まる」と述べた。

その上で、ワクチン接種が進む中、下半期は消費が増大し失業率が低下すると予想。低金利が引き続き住宅市場の支援になると同時に、労働市場は向こう2年間にわたり力強く伸びるとの見方を示した。

ただインフレ率については、向こう2年以内に連邦準備理事会(FRB)が掲げる目標には達しないと予想。短期金利は「極めて緩和的」な水準にとどまるとの見方を示した。

また、中小企業向け「メインストリート融資制度(MSLP)」について、2020年に1800を超える企業が利用し、総額165億ドルを超える融資が実施されたと明らかにした。FRBは新型ウイルス感染拡大を受けMSLPを開始。今月8日に終了した。

さらに、失業率はなお上昇しており、米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%の物価目標達成には数年かかる可能性があると述べ、資産買い入れペースを少なくとも年内は維持すると示唆。

「経済の足場がより強固になるまで資産買い入れを続ける」とし、「米国債・モーゲージ担保証券(MBS)の買い入れ規模縮小を話し合うまでにはもう少し時間がかかるだろう」と話した。

*内容を追加しました。