[ロンドン 12日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は12日、国内で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを受け、英経済は非常に難しい局面にあり、将来の景気回復に遅れが出るとの見方を示した。同時に、マイナス金利政策は成長押し上げに直接つながる措置ではないとの考えも示した。

総裁はスコットランド商工会議所向けのオンライン講演で、新型ウイルスワクチンの普及で景気回復が視野に入っているものの、感染再拡大で向こう数カ月は困難な状況に見舞われる公算が大きいと指摘。「夜明け前が一番暗いということわざもある」とし、「現在、非常に難しい時期にある。恐らく軌道に遅れが生じるのは間違いない」と述べた。

ただ、景気回復の基本的な形状は、中銀が昨年11月の予測で示した軌道を反映したものになる公算が大きいとの認識も示した。

中銀は2カ月前に失業率が7-8%前後でピークに達するとの見通しを示したが、その後、政府が雇用支援策を延長したため、2カ月前の予想が現実になるとは考えていないという。

ただ同総裁は、失業率が直近の公式統計である4.9%からさらに悪化している可能性が高いと予測。「全国では恐らく6.5%前後というのが、最も妥当な推測値だろう」との見方を示した。

第1・四半期の経済活動については、新型コロナワクチンの普及が進み、一部の封鎖措置が解除されるまで低迷するとの見通しを示した。

2月4日の金融政策委員会で一段の景気刺激策が決定される可能性については、それまでに多くのデータが入手されると述べるにとどめ、具体的な発言を控えた。

また、欧州連合(EU)離脱で何らかの阻害があった証拠が示されているとしながらも、例年1月初旬は貨物輸送が停滞するため、離脱の影響がどの程度深刻だったか現時点で判断するのは難しいと語った。

マイナス金利政策については「多くの問題」があり、銀行に打撃を与えかねないとの認識を表明。「単純な経済学・計算に基づけば(マイナス金利を)妨げるものは何もない」としたものの、「多くの問題がある」と述べた。

その上で、マイナス金利を導入すれば、銀行の収益率確保に向けた取り組みが複雑になり、企業向け融資に悪影響が及ぶ可能性があると指摘。ユーロ圏の同様の措置と直接比較するのは容易ではないとの認識を示した。

英中銀は現在、マイナス金利政策導入の是非を検討中。中銀内で見解は割れており、金融政策委員会のテンレイロ委員は前日、マイナス金利政策による経済押し上げ効果は債券購入拡充を上回るとし、導入に改めて支持を表明した。

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