2021/1/13

【髙田春奈】Jリーグ唯一の女性社長「コロナ禍と就任1年目」

2020年、サッカー界でV・ファーレン長崎が注目を集めるのは必然だった。
現在の全57クラブでは唯一、リーグ発足以降でも2人目の女性社長。経営難にあえいでいたクラブを再建させた、ジャパネットたかた創業者の髙田明氏の後継──。
そこに訪れた未曾有のパンデミック。
就任から約1年、社長の髙田春奈氏は何を見て、どのように取り組んできたのか。長崎県に愛されるクラブの理由とその価値、目指す未来を聞いた。

J2降格でも「売上増」の秘密

──年末のJ1昇格をかけた戦いでは3位という結果になりましたが、シーズンを振り返るとどのような思いがあるでしょうか。
髙田 2020シーズンでJ1に上がらなければいけない、という使命を持っていたので、痛手を伴ったシーズンだったと言えます。
使命の理由は、一つに2024年にスタジアムができるということ。2024年には当たり前のようにJ1にいなければいけません。そのためには戦力を整えなければならないですから、チームの人件費を年々増やしてきました。昨シーズンは特に力を入れていましたから、今回の3位(2位までがJ1昇格)という結果は、経営的にも痛かった。それが率直な印象です。