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2021.01.09

米レンタカーAvisの「中古車販売」がコロナ禍でも絶好調の理由

Photo by Alexi Rosenfeld/Getty Images

レンタカーで知られるエイビス(Avis)が米国で手がける整備済み中古車の販売事業、「エイビス・カー・セールス」が好調だ。パンデミックによってエイビスのレンタカー事業は打撃を受けたが、2020年の中古車の販売台数は2019年の約2倍に伸び、第3四半期の販売台数は約7万5000台に達したという。

同社の上級副社長のグレッグ・ニアレンバーグは、販売事業の好調の一因が、テクノロジーのインフラの整備にあると述べている。エイビスは、全米の600以上のレンタカーの店舗でUltimate Test Drive(究極のテストドライブ)と呼ばれる試乗プログラムを実施している。

消費者はオンラインで試乗を予約し、近くの店舗で車を受け取れる。試乗は最大3日間まで可能で、気に入った車があれば購入して使い続けることが可能だ。エイビスは必要な書類を顧客の自宅に発送する。この仕組を通じ、顧客は人との接触を避けつつ、車の購入を完了できる。

ニアレンバーグによると、Ultimate Test Driveはレンタカー事業の一部として運営されており、他の自動車ディーラーには真似の出来ない販売手法だという。最初の2時間の試乗は無料だが、3日間の試乗は通常のレンタカーよりも割安な価格で提供されている。

エイビスの中古車販売が好調であるもう一つの理由は、車種が限定されている点だという。「当社の顧客は、特別なクルマを求めている訳ではない。手頃な価格で最新の機能を備えた、比較的新しいクルマを求めている」とニアレンバーグは話した。

同社が販売する車両の価格は、1万ドルから6万ドル程度となっている。レンタカーに使用される車種は、特定のものであるため、在庫切れが起こることは稀だ。「当社はいつでも在庫を補充できるので、外部から新しい車両を調達する必要が無い」と、エイビスの幹部は話した。

編集=上田裕資

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