「死後まで公表しない」 機密文書、明かされた入手方法
朝日新聞デジタル
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なぜアメリカがベトナムの泥沼にずるずると足を引きずり込まれていったのか。その政策決定過程を克明に記した国防総省の文書「ペンタゴン・ペーパーズ」。入手からNYタイムズに掲載されるまでの間、NYT経営陣の間には深刻な論争が起きていました。顧問弁護士からも「投獄される。裁判になっても弁護できない」と言われ、それでも社主が「掲載する」と最終判断を下しました。
「いま印刷が始まった」。工場からシーハン氏に電話。「10万部刷り上げたらかけ直してくれ」。10万部に達したら、もう刷り直しはできない数字です。「やったぞ。10万部刷った」。もう一度鳴った電話の向こうで歓声が聞こえた……これはシーハン氏が朝日新聞の取材に語った、『権力報道』(朝日新聞社)の一節です。
25年ほど前の本ですが、今でもこのやりとりを克明に覚えています。放っておいたら国民の目に触れずに終わってしまうストーリーを届ける。そういうメディアの役割の根幹は、社会の仕組みが大きく変わった今日でも変わらないと思います。政府が米国民に戦争の状況を正しく伝えていなかったことを示すペンタゴン・ペーパーズ。
映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」は2017年に映画化され、アカデミー賞の作品賞にノミネートしている。この休日に観てみよう。