2021/1/8

【最新】父親の加齢は子どもにこう影響する

東北大学 副学長・教授
女性の年齢が上がるにつれ、卵子が「老化」し、妊娠のしにくさや先天異常の増加につながることはよく知られている。
では、精子は「老化」しないのか──。
あまり知られていないが、実は世界各国の調査で、母親よりも父親の加齢の方が、子どもの精神発達障害のリスクを高めることがすでに明らかになっている。だが、どういう仕組みでそうなるのかは、まだよく分かっていなかった。
2021年1月5日、父親の年齢が上がると精子もやはり「老化」し、子どもに影響することを分子レベルで解明したとする論文が発表された。マウスの実験だが、ヒトでも同じ仕組みで次世代に影響する可能性は高いという。
国際的にも注目される今回の報告の背景と解説を、研究チームの中心メンバーでNewsPicksのプロピッカーでもある脳神経科学者、大隅典子・東北大学教授の寄稿でお届けする。