英下院、EUとの自由貿易協定を承認 離脱交渉完了へ
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EUは当初から「ブレグジットに勝者はいない。交渉はダメージコントロールだ」と強調してきました。これまでの交渉期間、そしてこの先も英国がEUよりも多くのものを失うことは明らかです。
EUのバルニエ首席交渉官の前には山積みの書類、対する英国のデービス離脱担当相のチームは手ぶらで着席ーー。初めての交渉会合後に公開された1枚の写真がその後のブレグジット交渉の混迷を象徴していたように思います。
ともあれ本当の影響があらわれるのは移行期間が終わるこれから。今後の展望について「EU離脱」の近著がある慶大・鶴岡路人さんにインタビューでじっくり聞きました↓ご関心の向きは
https://mainichi.jp/articles/20201229/k00/00m/030/119000c今日中に女王の裁可を経て英側は批准完了の見込みです。
EU側は2月末までに批准を終えたい意向ですが、欧州議会での審議、さらには構成27か国全ての議会での承認プロセスが待ち構えています。
カナダとのFTA(CETA)の際は、ベルギーの地方議会の反対で正式発効が遅れました(ベルギーの場合、中央政府が条約を批准する場合は各地方政府の承認を要するため)。そうしたリスクが燻ります。ジョンソン首相は、最後の最後、もう英国内で反対の声を上げる時間がなくなってから、EU側に大幅譲歩した。実際、労働党のキア・スターマー党首は、サービス部門を除外した不完全な合意を非難しながら、「わたしたちには1日しかない……」という理由で賛成に回ることを表明した。