年金資産は402兆円で過去最高

資金循環統計(2020年9月末)から見る年金資産の動向

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2020年12月29日

サマリー

◆日本の年金資産(公的年金、年金基金)は、2020年9月末で402.2兆円と、2020年6月末比で+8.9兆円増加し、過去最高を更新した。新型コロナウイルス感染症の拡大により停滞していた経済活動の制限が一部緩和されたことや、世界的な金融緩和策を受けて、国内外の株式市場が上昇したことが主な要因である。

◆公的年金の残高は6月末から9.0兆円増加した。株価上昇やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による外国債券への投資拡大等により、株式等や対外証券投資の残高が増加した。

◆年金基金については、確定給付型年金の残高が減少した一方で、企業型DCやその他年金は増加した。確定給付型年金の積立不足の規模は縮小しており、株価上昇等によりバランスシートは改善している。掛金が毎月積み立てられる企業型DCと自助による個人の掛金収入が安定的であるその他年金では、着実に残高が増えている。

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