この連載について
ビジネスや働き方が多様化し、正解がない時代に、自分を信じて一心に仕事をする人たちがいる。そこにあるのは独自の「哲学」だ。仕事人のヒストリーをたどり、道標となった哲学を浮き彫りにしていく。
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ユニ・チャーム株式会社(英語: UNICHARM CORPORATION)は、生理用品、紙おむつ(乳児用、大人用)などの衛生用品の大手メーカーである。みどり会の会員企業であり三和グループに属している。ベビーケア、フェミニンケア、ヘルスケア関連製品でアジア1位のシェアを誇る。海外売り上げ比率は6割を超える。TOPIX Large70の構成銘柄の一つ。 ウィキペディア
時価総額
3.34 兆円
業績



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ユニ・チャームも、もともとはそういった製紙会社の一つだったのですが、高原慶一郎氏の代の時に、1960年代から生理用ナプキン、1980年代から紙おむつの製造に乗り出し、大飛躍を遂げました。今や愛媛を代表する企業ですが、製紙業の伝統を発展させた企業ともいえます。
生理用ナプキンと紙オムツは、世界中で女性の人生を変えました。2年前、『パッドマン 5億人の女性を救った男』https://bd-dvd.sonypictures.jp/padman/というインド映画が日本でも上映されましたが、生理用ナプキンと紙オムツで、女性が自由にできる時間が増えました。女性の就業にも大きく関わっていることで、日本では1960年代からこの変化が起きました。
中国や東南アジアでも、20年前は、女性が毎日何枚もの布オムツを洗濯しては干す、というのを繰り返しているのが日常でした。ユニ・チャームや花王がこれらの国に進出したことは、東アジアの女性の生活に少なくない変化をもたらしています。
後で出てくるかもしれませんが、「ユニ・チャーム語録」は複数の言語に訳されており、何ページの何行目というところまでそろえてあり、「ここを読め」といえば必ず同じだそう。「凡事徹底」の本質を見る思いです。
いいインタビューですね。第1回目で読者をつかみます。続きが楽しみです。
という一言がポイントで、戦略として何か特異なことをしたわけではない、ちゃんと実行したのだ、という点にあることがよく分かりました。
一方で計画と実行をどのようにしたらちゃんと出来るのかは別な関心として出てきます。KPIの整備はもちろんでしょうが、しかし、改革をしようとすれば、狙いが伝わらなかったり、自分からあらな観点から考えて実行しようとしないように見えるメンバーがいたり、という問題はつきものです。この点に対してどのようなことに取り組んだのか、興味があります。
それを文化の問題だ、と言ってもそれは結果的にそうと言うことに過ぎません。従って、「新たな変革に対してどのように組織の中の意味が変化し、見える風景が変わったのか」という実践が大切だと思うのです。
日本の人口構造については「誰もが知っている長期トレンド」。だけどそこを正面からとらえてちゃんとリスクテイクの判断をして、その後も信じて投資し続けられるか。そして紙おむつの根源的な利便性と、一方コストとのバランスなど現実面のトレードオフをちゃんとできるか。
その根源となるのが、就任時のエピソードにある経営としてのオーナーシップや、それを「コミットメント」について記事に出ているが、全社の文化とできるか。
下記のNVIC奥野さんの「構造的に強靭な企業」と併せて、その事例として読んでいただきたい記事。
https://newspicks.com/news/5538648
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2001年に39歳で社長に就任。当初はその経営手腕を不安視されるも、圧倒的な実績で外野の雑音を跳ね返したユニ・チャームの高原豪久社長。
生理用品や紙おむつなど国内の事業基盤を強化するとともに、新興国を中心とする海外展開を加速。80を超える国や地域に進出して現地ニーズを掘り起こし、社長就任時に約1割だった海外売上高比率を約6割に、売上高を3倍にするなど、同社を大きく躍進させた。
なぜ創業者である父のカリスマ経営から、社員が自立的に動く全員経営へと転換できたのか。海外戦略、急成長を支えた人づくりなど、社長人生20年で培われた経営の要諦を語る。(全7回)
■第1回 ユニ・チャーム海外展開で売上高3倍、時価総額11倍
■第2回 言葉ではなく、行動で人を評価する
■第3回 裸の王様にならないための「自己観照」
■第4回 人は育てられない。育つか育たないかは本人次第
■第5回 1の努力、10の努力、100の努力
■第6回 人間の能力に差はない。誰でも成功できる
■第7回 健全な危機感をいかに持ち続けるか
(一応、ご紹介→http://www.unicharm.co.jp/ir/report/talk/index.html)
今回の内容でいうと、凡事徹底できる人が少ない、というのはまさにその通りだなと思っていて、例えば信越化学にしてもそうですが、何かユニークなことをやっているとは思いません。ただ、「徹底」という言葉の重さが他社とは全く違うと感じます。
記事中にある、コミットメントの定義などはまさにそれを示しており、ここまでの覚悟を持って経営している企業がどれだけあるか。為替が円高だから、米中貿易摩擦があるから、コロナの影響が…と言い出したら言い訳ばかりになってしまいますので。
そういう意味では、社長に就任される際のエピソードが非常に印象深いですね。
↓特に下記は大のオススメです。
ユニ・チャーム 共振の経営 「経営力×現場力」で世界を目指す
https://www.amazon.co.jp/dp/4532319188/
ユニチャームのみならず、日本の紙おむつは高い品質が評価されてロシアやアジア圏でもバイヤーが買い付けに日本まで来ていた時もあるとか。不織布業界はマスクやらおむつやらでこの20年くらいは食いっぱぐれが無かったのではないか。
紙おむつ自体は設備を買えば一定のものが国内でも海外でも作れるとすれば、装置産業なので、コストでは規模の勝負になり、市場への差別化アプローチとしては製品企画や販売面での細やかな対応が結局は成否を分ける、ということになる。