[ブリュッセル 23日 ロイター] - 関係筋によると、英国と欧州連合(EU)の将来の関係を巡る通商交渉が合意に近づいているとみられ、離脱移行期間終了後の来年1月1日に経済が混乱に陥る事態は回避できるとの期待が高まっている。

EU当局者は23日、詳細を詰めているところだとし、合意が24日午前に発表されるとの見通しを示した。

英政府高官も23日、ジョンソン首相がEUと合意する見通しだと述べた。

ただ、双方から合意に関する公式な確認は取れていない。

EUの執行機関である欧州委員会の関係者は、協議は「最終段階」にあるとした上で、まだ継続中だと強調。別のEU当局者は、英国が1月1日に「合意なし」で離脱するリスクを排除するべきではないとくぎを刺した。

別の英政府筋も「交渉は続いている」とし、慎重な姿勢を示した。

ただ、複数のEU外交筋によると、加盟国は合意に達した場合に備え、貿易協定の実施に向けた手続きを準備し始めているという。

匿名のあるEU外交筋は、来年1月1日からの貿易協定を欧州議会が批准する時間が十分確保できないため、加盟国は貿易協定を暫定的に承認する必要があるとした。

英国側は先に、漁業権と公正な競争環境という2つの重要な問題がまだ解決されておらず、合意に向けた十分な進展はないとしていた。

しかし、フランス政府当局者によると、英国は過去48時間に主に漁業権に関して「大きな譲歩」を示したという。

欧州委員会はコメントを控えた。

ロイター報道を受け、ポンドは対ドルで1%超上昇した。

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