[ニューヨーク 22日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では薄商いの中、ドルが上昇した。英国で見つかった新型コロナウイルスの変異種に対する警戒が高まっていることで、米議会による追加経済対策可決を受けた楽観的な見方が相殺された。

リスク選好の後退を受け、米株式市場でダウとS&P総合500種が低下する一方、米国債に買いが入るなどの動きが出ている。

新型ウイルスの変異種については、米疾病対策センター(CDC)がこの日、米国ではまだ確認されていないとしたほか、アザー厚生長官はファイザーとモデルナのコロナワクチンが変異種にも効果があるとの認識を表明。それでも市場で懸念は払拭されていない。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.6%高の90.675。ユーロは対ドルで0.7%安の1.2156ドル、ドルは対円で0.4%高の103.70円。

アクション・エコノミクス(フロリダ州)のグローバル外為分析部門責任者、ロナルド・シンプソン氏は「ドルは来年上半期に大きな圧力にさらされ続ける」と予想。ただ「新型ウイルス感染が収束すれば、新興国市場での機会が増大する」と述べた。

この日発表の米経済指標では、全米リアルター協会(NAR)発表の11月の米中古住宅販売戸数が年率換算で前月比2.5%減の669万戸と、6カ月ぶりにマイナスとなった。

また、コンファレンス・ボード(CB)発表の12月の米消費者信頼感指数は88.6と、前月の92.9から予想外に低下し、8月以来の低水準となった。

米議会は前日、9000億ドル規模の新型ウイルス追加経済対策を可決。トランプ大統領の署名を待っている。ただアナリストは、追加対策はすでに織り込まれていたため、市場に目立った影響は出ていないとしている。

英ポンドは対ドルで0.9%安の1.3350ドル。ポンドは対ユーロでも0.1%下落した。欧州連合(EU)が英国と続けている自由貿易協定(FTA)などの協議について、バルニエ首席交渉官はこの日、交渉は重要な局面に入っており、EUは「最後のひと押し」を行っていると発言。ただ、EUを離脱した英国が加盟国とほぼ同等に扱われる「移行期間」の終了を31日に控え、両者の見解の相違はなお埋められていない。

ドル/円 NY終値 103.63/103.66

始値 103.37

高値 103.73

安値 103.32

ユーロ/ドル NY終値 1.2161/1.2165

始値 1.2241

高値 1.2256

安値 1.2153

(表はリフィニティブデータに基づいています)