2020/12/28

【峯村健司】トランプが仕掛けた地雷。中国との長期戦が始まる

朝日新聞社 編集委員(外交・米中担当)
バイデン後の米中関係はどうなるか。新テクノロジー冷戦の行方は。朝日新聞の峯村健司・編集委員(外交・米中担当)が解説する。
3つのポイント
①トランプは、対中強硬という「地雷」を仕掛けた
②バイデン&習近平の蜜月関係でも、地雷は炸裂する
③構造的に、新冷戦は2021年に「元年」を迎える
米国史上、まれに見る混戦を経て2021年1月20日、バイデン新政権が発足します。
トランプ政権は4年間、中国に厳しい姿勢で臨み、両国関係は「新冷戦」と言われるほどまでに悪化しました。
これに対し、民主党候補のジョー・バイデン(78)は、オバマ前政権下で副大統領として、中国との協力関係を重視してきた人物です。ゆえに選挙戦中、現職大統領のドナルド・トランプ(74)から非難されてきました。
(写真:Chip Somodevilla/Getty Images)
当時のバイデンの言動を振り返ると、中国国家主席の習近平(67)との蜜月関係がうかがえ、中国政府内では、対米関係の好転を期待する声も出ています。
果たして本当に、米中「新冷戦」は雪解けに向かうのでしょうか。
筆者は、かつてのような米中関係に戻ることはありえない、と確信しています。バイデン政権が始まると、トランプ政権が着々と仕込んできた「地雷」が、次々と炸裂するからです。

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