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ニュージーランドの内閣は非常に多様なメンバーを取り揃える Photo: Mark Mitchell-Pool / Getty Images

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Text by Jennifer Curtin

新型コロナウイルスのパンデミックに対する的確な対応などから、国内外での評価を高く上げ、10月の総選挙において自ら率いる労働党の圧倒的な勝利を導いた、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相。

そのアーダーンが2020年11月に発足させた内閣が、世界有数に多様な内閣だと話題になったが、どのようにそのような内閣の実現が可能となったのだろうか?

ジャシンダ・アーダーン首相が率いる労働党内閣は、ニュージーランド史上で最も多様な人材を取り揃えている。

閣僚の40%が女性、25%がマオリ族(5人のうち2人が女性)、15%が太平洋の島々にルーツを持つパシフィカ(3人のうち2人が女性)、15%がLGBTQIで、副首相グラント・ロバートソンも同性愛者である。

20人の閣僚に加え、閣外には4人の大臣と2人の次官がいるが、この6人のうち3人が女性、2人がマオリ族、1人がパシフィカ、もう1人はインド系だ。協力関係にある緑の党から、共同代表マラマ・デヴィッドソンとジェームズ・ショウの2人も閣外から副大臣に選出されている。

徐々に高められてきた多様性


近年、世界的に行政機関における女性比率の引き上げが求められている。

女性議員の割合が増えるにつれ、閣僚候補となる女性も増える。かつて、オーストラリア元首相トニー・アボットをはじめとする首脳たちは、充分な経験を積んだ女性議員が少ないから女性閣僚を増やせないと主張してきたが、もうそのような言い訳は通用しなくなるだろう。

これまでの大規模な調査によると、女性首脳が男性首脳よりも多くの女性閣僚を選ぶというわけではないということが明らかになっているが、ニュージーランドにおいて女性閣僚を増やしてきたのは女性首相だった。

労働党のヘレン・クラークは、1996年には11%だった女性閣僚の割合を、首相就任時の1999年には35%まで上昇させた。その後首相に就任した国民党のジョン・キーも、前例に従って閣僚の少なくとも30%に女性を起用してきた。そして、アーダーンはその割合をさらに引き上げ、閣僚の40%に女性を起用したのだ。

一方で、それでもなお男女比が同等にならないという事実が残る。2017年にアーダーンは内閣における男女比を同等にすると宣言したが、2020年の内閣では目標達成には至らなかった。
残り: 2164文字 / 全文 : 3160文字

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