2020/12/26

【白石陽介】金融業界「見えない地殻変動」が表面化する1年

株式会社ARIGATOBANK 代表取締役CEO / 東京都DXフェロー
長らく現金決済が主流だった日本に、キャッシュレスが確実に浸透し始めている。ARIGATOBANK代表で、東京都DXフェローも務める白石陽介氏が、"地殻変動"が起こった2020年を振り返りながら、新年に向けてFintech業界を解説した。
3つのポイント
①キャッシュレスの流れが逆流することはない
②米国で広がるBuy Now Pay Laterが日本でも定着する可能性
③規制緩和やデジタル通貨から生まれる新サービスに期待

日本の現金信仰がついに揺らぐ

2020年は世界経済にとって大きな試練の年となりました。
コロナ禍による大きな環境変化。今までの慣習を大きく変えざるを得ない事態は一人一人の生活にも大きな影響を与えました。この流れは日々の行動変化にとどまらず、意思決定の根源にある文化をも変えていく事は間違いありません。
Fintechの分野において、2020年は日本で長らく変わることがなかった現金信仰が揺らいだ年でした。
これまで様々なプレイヤーが、キャッシュレス利用のインセンティブ付与や利便性の向上など、あの手この手で習慣を打破しようと努力してきましたが、ウイルスがこの文化を一気に打破したというのは、皮肉なものです。
(写真:gpointstudio/iStock)
しかし、幸いなことにこの流れは逆流することはありません。