[東京 17日 ロイター] - 東京都で17日、新たに822人の新型コロナウイルス感染が確認された。前日の678人を大幅に上回り、過去最多を更新した。都は、感染拡大に伴いコロナ治療と通常医療との両立が困難になったとして、医療提供体制の警戒レベルを4段階で最も深刻な「逼迫している」に引き上げた。全国の感染者も急増しており、TBSなど国内メディアによるとこの日の新規感染者は午後6時半までに3150人を超え、過去最多を記録した。

<年末年始コロナ特別警報を発出>

東京都の17日時点の重症者は66人。ただ、国への報告基準に合わせると、重症者は332人(うちICU入室または人工呼吸器かECMO使用は111人)となる。

1週間ほど前は60人前後で推移していた重症者の数は徐々に増え、15日には78人に達していた。

小池百合子都知事は、都の感染症対策本部で「これまで以上に危機感を持つ必要がある」と発言。その後の記者会見では、専門家からはこのままでは1日の感染者が1000人を上回る可能性があるとの指摘があるとして、「年末年始を感染拡大の機会にしない。コロナ特別警報を発出する」と警戒を呼び掛けた。

都がこの日行った感染症モニタリング会議で東京都医師会の猪口正孝副会長は、警戒レベルを引き上げた背景を説明した上で、現状が2週間続いた場合の今月31日の状況について「医療提供体制の深刻な機能不全が危惧される」と警戒感を示した。

感染拡大を受けて都は、確保している病床を現在の3000床から4000床に増やすよう、医療機関に要請した。

西村康稔経済再生相は東京都の感染者増に関して「極めて強い危機感をもって数字を注視している」と述べた。

(田中志保 石田仁志 編集:内田慎一)