[15日 ロイター] - オーストラリア健全性規制庁(APRA)は15日、国内銀行が支払う配当金への制限を来年解除すると発表した。新型コロナウイルスの流行後に経済状況が改善していることが理由。

APRAは7月の指針で、年内に支払う配当を利益の半分未満に抑えるよう銀行に求めた。

APRAは、指針発表以降、金融機関が返済猶予に応じていたローンの大半について返済が再開するなど、経済の見通しが改善したと指摘。

ストレステスト(健全性審査)では、銀行システムが「非常に厳しい」景気悪化に耐性があるだけでなく、家計や企業への融資を通じて経済を支えることが、なお可能だと示されたと説明した。

ただ、バイヤース長官は、状況が改善し、指針が刷新されたものの、銀行と保険会社は「資本管理と配当の支払いで慎重なアプローチを維持するよう期待されている」と指摘した。

豪4大銀行の中で、コロナ危機下で中間配当を見送ったのはウエストパック銀行のみで、他の3行は制限に従いながらも配当を行った。