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そもそもこの話はオバマ政権下の2009年に遡ります。当時トルコはアメリカの防空ミサイル、パトリオットを78億ドルで購入する約束をアメリカとしていたのですが、オバマ政権は突如これを反故にしました。
仕方なくトルコは他国からの購入に方針を転換し、最初は中国から購入しようとしたのですが、これもアメリカに拒否されました。
すったもんだの末最終的にトルコに最新鋭ミサイルS400の供与を申し出たのがNATOの切り崩しを狙うロシアだった訳です。

何故アメリカがトルコへのパトリオット売却を反故にしたかといえば、トルコが一部技術の技術移転を求めたのに対し、トルコの軍事技術の向上はクルド人の弾圧につながるという一部EU諸国の憂慮に配慮した結果だといわれています。
事の是非は兎も角、クルド問題というのは中東の火薬庫ともいうべき問題で、特にトルコにとって最もセンシティブな政治的な話です。
単なる兵器調達の問題をここに絡めてしまった事で、話が拗れまくり、今日の結果を産むことになりました。

そしてIS戦争で実際にアメリカがクルド人を後押ししたことは、トルコにとって決して看過できることではない一方、中東全体に勢力を広げようとするエルドアン大統領の野心的な姿勢にアメリカも反発。
米土関係は過去最悪の状況となりました。

トランプ大統領はどちらかと言うとトルコには同情的だと言われますが、バイデン次期大統領は反エルドアンの色彩が強いと言われており、国内、特に議会のムードに合わせて、制裁に踏み切ったと見るのが妥当でしょう。
昨年来、S-400を配備するトルコに対して警告してきた米国が、トルコに対して限定的な制裁措置に踏み切った。NATOの一員であるトルコが、中国、ベラルーシに続いてこの射程400キロ(あるいはそれ以上)の地対空ミサイルの配備を決定したときは、驚きを持って迎えられた。NATOの足並みを乱し、とっておきの輸出用ミサイルの販売に成功したロシアにとっては一石二鳥のセールスだった。
そもそも制裁は武力を伴わない強制措置なので、同盟国に対する制裁は想定されていないのだが、それが実現するのがトランプ政権であり、現代の社会なのだろう。効果はほとんどないが、象徴的な意味は大きい。
ロシアの首都のモスクワはロシアの中でうーんと西に寄っていて、西側軍事同盟の一員であるトルコのミサイルはモスクワの喉元に突き付けられた短剣みたいな位置関係。米ソ核戦争の一歩手前まで行って人類危機の13日間とまで称された遠い昔のキューバ危機でも、水面下の交渉の焦点は米国がトルコに持つミサイル基地の扱いでした。そのトルコの地対空ミサイルがロシア製に変わればロシアの安心が増して米国が怒るのは分かるような気がします。背景に複雑な利害対立も潜んでいるようですし。
最近、世界のあちこちで“力による現状変更”が問題になっていますが、米ソ冷戦が終わったのち、こうした動きが始まる大きなきっかけになったのは、ロシアによるクリミア半島の併合だったと感じています。クリミア半島は黒海を経て地中海に至るロシアの大事な出入り口で、地中海に出たところに位置するのがトルコです。もし、ロシアが地中海への出入り口を手に入れなかったら、トルコが西側諸国と距離を置いてロシア製の地対空ミサイルを導入することも無かったんじゃないのかな・・・・ 根拠薄弱な素人の感想に過ぎないけれど、こうしたことがあるから、経済的な損失を覚悟してでも勢力圏の問題は譲れない。米国と中国の覇権を巡る激しい鍔迫り合い、ブレグジットを巡る英国とEUの折衝の行き詰まり、我が国の身近なところで勢力圏を巡るいろんな摩擦が高まっているようで、なんとなく不安です。我が国の領土領海を巡ってもきな臭い動きがありますしね (・・;
昨年から米国はF-35のトルコへの売却を凍結する等、それなりのペナルティを課してきたが、トルコが言うことを聞かないので、それをエスカレートさせた形。米国のグリップ力が世界中で弱まってきているということだろう。