[ブリュッセル 11日 ロイター] - 欧州連合(EU)首脳会議は11日、夜を徹して行われた協議で、温室効果ガスの排出量を2030年までに1990年比で少なくとも55%削減する目標を掲げることで合意した。

現行の目標は40%減。目標を大きく引き上げることになる。

EUのミシェル大統領はツイッターに「欧州は気候変動対策のリーダーだ。われわれは2030年までに温室効果ガスの排出量を少なくとも55%削減することを決定した」と投稿した。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は新しい目標について、2050年に排出量実質ゼロを実現するための明確な道筋を示したと述べた。

EUは12日に開催される国連気候サミットでこの目標を提示する。

今回の首脳会議では、気候変動に対しより野心的な行動を求める西部と北部の諸国と、石炭への依存が大きい電力部門とエネルギー集約型産業を抱える東部諸国による政治的妥協によりなんとか合意にこぎつけた。

ポーランドはEUの排出量取引市場から所得の低い国が得られる資金が削減されないことを保証するようぎりぎりまで求めていた。また国ごとの削減目標を国内総生産(GDP)に基づいて決めるよう主張した。

しかし多くの国は、欧州委が目標達成のための詳細な政策をまとめる際に手を縛られるとして反対した。

削減目標の正式決定には欧州議会の承認が必要となる。欧州議会は1990年比で60%の排出削減を支持している。

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