2020/12/12

【秘伝】世界で勝ち続ける「黒子経営」5つの学び

NewsPicks ジャーナリスト
日本の製造業の凋落が叫ばれて久しい。
かつて栄華を誇ったテレビや半導体など電機産業はグローバルでの競争力を失い、今でも世界で戦えているおなじみの最終製品と言えば、自動車や腕時計、カメラ、ゲーム機くらいだ。
しかし、日本のものづくりは死んでいない。
完成品ではなく装置や材料に目を向けるとまだまだ日本企業が強く、ものづくりをする上で、「なくてはならない」企業はたくさんある。そして、そうした企業が今、株式市場から再評価を受けている。
筆頭格が、半導体の製造装置メーカーとして知られる東京エレクトロンだ。
時価総額は実に5.5兆円超。この数字は、日本第二位の自動車メーカーであるホンダや、総合商社トップの伊藤忠商事よりも大きい。
東京エレクトロンの装置は、世界シェアが90%に達するものもあり、それがなければインテルもTSMCも、サムスンも、SKハイニックスも半導体を作ることができない。
それゆえ、近年の半導体需要の拡大もあり、東京エレクトロンの売上高は5年前と比べて倍増した。2021年3月期の売上高は1兆3000億円、営業利益は2810億円で、営業利益率は20%を超える見通しだ。
日本の製造業が伸び悩む中、「装置」と「素材」を手がける企業に日本の勝ち筋を見いだせないか。
NewsPicksは東京エレクトロンの河合利樹社長にインタビューし、強さの秘訣を聞いた。

「5.5兆円企業」の強み

──完成品が弱くなる一方、日本には装置や材料で強い企業がたくさんあります。東京エレクトロンの強みは何ですか。