[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は10日、英国が12月31日までに通商協定を結ばずにEUを離脱した場合に備え、航空、道路、鉄道輸送、漁業への混乱を抑えるための短期的な措置を発表した。

欧州委はなお年末の期限までに通商協定締結を求めているが、協定があっても英国がEUを離脱する際に予測される混乱の一部を和らげることしかできないと指摘。

声明で「合意なしのシナリオでは多くの分野で混乱が生じるが、適切な予備対策がない一部の分野は過度に影響を受けるだろう」と述べた。

欧州委は、英国が同様の保証を行うことを条件に、英国とEU間の「特定の航空サービス」を最大6カ月間維持することを提案した。航空機の運航が停止されないよう航空安全対策は相互に認める。この措置により、航空会社は双方の領空で運航し、サービスを提供し続けることができる。

道路による貨物と旅客の基本的な行き来も、相互が認める限り、6カ月間継続する。英仏海峡トンネルに関しては別の規制で対応する。EU加盟国が規制を承認した場合、期限切れとなる安全性と監督に関する取り決めを英国とフランスが新たに合意するまで、英仏海峡トンネルの道路と鉄道による交通を2カ月間継続する。

漁業に関して欧州委は「2021年12月31日まで、または英国との漁業協定が締結されるまで、いずれか早い方の日付で、20年12月31日以降もEUと英国の船舶が互いの海域に相互アクセスできるようにするための適切な法的枠組みの構築に向けた規制」を提案した。

欧州委はまた、EU企業の適応を支援するために、EUの新しい21─27年の予算の一部として50億ユーロ(60億5000万ドル)の「英国のEU離脱調整準備金」を近く提案すると述べた。

欧州委は別の声明で「欧州委はきょう提案されたもの以外に、EU全体を対象とした法的な緊急事態対策は必要ないと考えている」と述べた。