大企業景況感、2期連続プラス 10~12月、中小はマイナス
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来週公表される日銀短観の前哨戦となる企業マインド調査ですね。
ただ、短観の業況判断DIがいいか悪いかの水準を聞いているのに対し、本統計のBSIは景気の方向を聞いてますので、2期連続プラスとはいえ、回復してはいるものの、水準が戻っているわけではないことには注意が必要でしょう。
という意味では、中小企業はマイナスが続いていることは、緊急事態宣言解除後も景況感が悪化を続けているということで相当深刻なことを意味します。プラス幅が急拡大ですが、「前の四半期と比べて」という質問なので、景気が上向き方向のときはどうしても大きくなりがちです。日銀短観のように水準感を尋ねれば、まだ水面下だと思います。さらに、国内の景況判断はまだ低めですし、先行きについても慎重姿勢がみられることも懸念されます。
非常事態宣言が出て経済活動が大きく制約された4-6月を底に回復に向かう途上ですから2期連続の改善は当然予想されるところですが、大企業の11.6に対し中堅企業は5.5で中小企業に至っては▲15.5という結果で、企業規模が小さくなるほど悲観的。また、製造業がかなり良くて非製造業が大きく見劣りすることも目立ちます。
新型コロナ対策をとりつつ世界を相手に仕事ができる大企業製造業が最も良くて、日本国内で自粛しつつ事業をせざるをえない規模の小さい企業ほど、そして同じく国内顧客のウェイトが高いだろう非製造業ほど景況感が悪い形です。先行きの1-3月、そして4-6月についても同じ傾向が見て取れます。
中小企業は政府と日銀の補助金や資金支援で生き延びていますけど、この状態が続くと飲食店を始めとする非製造業は先行きを含め相当しんどいことになりそうです。英・米・加が相次いでワクチンの接種に踏み切ったようですが、我が国も恐怖心を鎮める手を打って、国内市場を担う消費者と企業を早く元気にする必要がありそうです。 「大企業景況感、2期連続プラス」と言われても、安心するには程遠い・・・ (・・;