【解説】「脱ガソリン」で、自動車業界はこう変わる
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「脱ガソリン」の流れが本格化しつつあります。
東京都が2030年のガソリン車の新車販売を禁止するほか、政府でも同様の議論が進められています。
こうした規制は欧州や米カリフォルニア州、中国が日本に先駆けて行っていますが、なかなか思惑通りには進まずに軌道修正を余儀なくされています。
脱ガソリンを取り巻く議論の論点をまとめました。
自動車は国内で500万人以上が働く基幹産業で、ガソリンスタンドも2万箇所以上あります。
部品のサプライヤーも含め、現実的に多くの人が「脱ガソリン」の煽りを受ける中で、どのように電動化を進めていくのか。まずは12月中にもまとめられる温室効果ガス削減に向けた実行計画の内容に注目です。自動車はガソリンで走るもの、と思っていたのですが、時代が変わってきました。ガソリンスタンドはなくなる時代に突入です。
そういえば、車の排気量がステータスの時代がありました。それが地球を汚染していることがわかり、地球を守るために脱炭素。排気という概念がなくなっています。
水素で走る、飛ぶという時代にするためには、水素補給のインフラ投資が必要ですね。100年に一度のパラダイムシフト。EV化は環境のためだけではない。自動運転・自律移動化が可能となった時,新しい世界が開けます。
20☓☓年,かつての「自動車」は「唯の自動車」(移動するだけの空の物体)としてコモディティ化している。唯の自動車を構成するあらゆるコンポーネントは標準化,モジュール化されている。唯の自動車を作るのは平易。必要なモジュールを組み合わせるだけ。昔は「職人」が経験で行っていたモジュール間の調整も,AI技術で標準化されて簡便になった。また,細かい調整はユーザの好みに合わせて,適応的に行われる。
誰でもちょっとした趣味レベルで唯の自動車が作られるようになった時代。自動車製造メーカーは,価格以外でお互いを差別化するのが難しい。メーカー死屍累々。
一方,安定なのは取り換えのきかないモジュール,それを変えると他の多くのモジュールを変更することになるモジュール,それを一から開発するより完成品を調達したほうが経済的なモジュール,そんなモジュールを他者に提供しているメーカーである。たとえば、自動運転システムを含むオペレーティング・システム(ソフトウェア,上位プラットフォーム)を収めたモジュールである。21世紀初頭,自動運転システムをどこよりも早く完成させ,デファクトスタンダードを握ろうと企業の競争があった。
コモディティ化した自動車にユーザーが求めるものは何か。もはや走りや乗り心地の良し悪しではない。スマホを処理速度で選ばないのと同じ。その自動車で何が体験できるかである。そこで,21世紀初頭では想像が及ばない自動車の利用とサービスが創造され,唯の自動車にインストールするガジェット,アプリが開発されている。多くの自動車メーカーは,ここで差別化を試みる。また,アプリ開発のみのメーカーも存在する。
自動車販売「網」は無い。趣味としてマイカーを持ったりカスタムしたり手動運転を楽しむ人もいる。モジュール化されたEVの良いところはデザインが自由というところである。
しかし,そんな人は少数。普通の自動車は個人で所有する物ではなく,共有する物である。交通システムはかつて「MaaS」と呼ばれたサービスで,環境・エネルギー・ユーザにとって最適化されている。